歴史好きの人にとって、戦国時代は人気のある時代である。そして、戦国時代の好きな武将がいるものである。例えば、織田信長や武田信玄、伊達政宗などが人気があるだろう。
そして、これらの人物は、地域にとって、重要な観光資源でもある。歴史好きでなくても、その地域に行けば、城めぐりをしたり、その武将にゆかりの施設などに行ったりするだろう。
しかし、地域によっては、そのような有名な戦国武将がいない地域もある。例えば、東北地方などは、伊達政宗は有名だが、それ以外の武将はそう有名ではない。
そこで、岩手県では、地元の戦国時代の武将である九戸政実のPRを始めたようだ。
外部リンク2013/12/18 産経ニュース「戦国武将・九戸政実を全国発信 岩手県きょうからPRマン選抜総選挙」
他の地域では、有名な武将がいて、様々な観光施設などが作られている中、武将自体をまずPRしなければならないとは、かなりハンデキャップを背負っていると言えよう。
しかし、ここ数年の動向を考えると、必ずしもそうとは言えないとも思う。
例えば、右はここ10年の大河ドラマの主人公である。勿論、坂本龍馬・源義経のような人気の人物も題材とされているが、いわゆる織田信長・武田信玄といった有名な人物は主人公となっていない。これは、大河ドラマだけではなく、他のドラマや映画などでも同様だろう。昨年、映画になった「のぼうの城」の主人公は、成田長親というあまり知られていない武将であった。ドラマでも「信長のシェフ」のように、織田信長を主人公とはせず、未来からタイムスリップしたシェフが主人公だ。
このように思えば、近年は、正面切って有名な武将などを題材とした歴史ドラマや映画などは、あまり作られていないということである。言い換えると、これらの有名な武将では、当たり前すぎて面白くないということだろうか。
年 | タイトル | 主人公 |
---|---|---|
2004年 | 新選組! | 近藤勇 |
2005年 | 義経 | 源義経 |
2006年 | 功名が辻 | 千代・山内一豊 |
2007年 | 風林火山 | 山本勘助 |
2008年 | 篤姫 | 篤姫 |
2009年 | 天地人 | 直江兼続 |
2010年 | 龍馬伝 | 坂本龍馬 |
2011年 | 江 | 江 |
2012年 | 平清盛 | 平清盛 |
2013年 | 八重の桜 | 新島八重 |
つまり、戦国時代についても、有名な武将を取り上げるのではなく、新たな視点や周辺の人物から、その有名な武将を取り上げたり、新たな面白い武将の発掘が行われているということである。
このことを考えると、岩手県の九戸政実のPRというのは、非常に面白いと思う。知られていないからこそ、今後の展開として大きな可能性がある。
まだまだコンテンツが必要なのかもしれないが、岩手県の九戸政実のPRは、重要な未来への投資と言えよう。
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