広島県の三次市では、広島県トラック協会北備支部三次地区会と連携し、5月中旬より、トラックにステッカーを貼り、三次市をPRしようという取組みを始めている。
正直言うと、ステッカー自体はトラックに比して小さく、地味であり、PR効果としては弱いと言わざるを得ない。また、作成枚数も300枚(=1社当たり5枚×60社)と少なく、効果もたいしたことはないだろう。予算に限りがあるとはいえ、もっと大きく派手にしたらいいのにとも思う。
ただ、トラックというのは、不思議な乗り物だ。日常的に車に接しているが、トラック以外に広告的に使われているものは、少ない。
多くの運送会社が、自社の車両であることをPRするために、キャラクターを付したりしている。また、路上広告を行うため、様々なデコレーションをしたりして、街中を走りまわり、お店やイベントなどのPRも行っている。更には、(今でもあるのかは知らないが)かつては「デコトラ」と呼ばれるような派手なトラックもあった。
また、全く異なることだが、佐川急便のトラックは、キャラクターのふんどしに触ると幸運がもたらされるといった噂も立ったことがある。
このように、トラックというのは、かつてより広告的に使われたり、都市伝説的な噂が生じるなど、車の中では特別な存在なのだろう。
そして、今回の三次市の取組みは、アイデアとして灯台下暗し的な要素で面白く、上記のようにトラックというものを考えると、着眼点の素晴らしさを感じてしまう。
しかしこのままでは、この三次市の面白い取り組みは埋没してしまうだろう。
むしろ、様々な自治体などを巻き込んで、横展開をし「ご当地トラック」というものを行ったらどうかと思う。
全国各地のトラックが、キャラクターや観光地などを付したステッカーを貼り、各地を回る。
トラック自体は日常的に接するものなので、何らかの形で「ご当地トラック」に接することになるだろう。そうすれば、地元のトラックが走っていれば、何となく地元の人はうれしく思うし、当然、他からのトラックを見れば、ライバル心も起き、もっと地元が頑張れと思う。これ自体で、SNS向きで、口コミが広がりやすい要素をもっている。
また、パーキングエリアなどでは、各地からの「ご当地トラック」が勢ぞろいするような光景も想定される。もっと言えば、トラックという可動性を考えると、イベントなどにも向いている。例えば、「ご当地トラック」が集まったイベントを開催し、トラックの荷はその地域の産品などを運んでくるというような仕掛けもできるだろう。
誰が主体になるかが問題だが、ご当地トラックというのは、面白いかもしれない。
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