経済学や産業組織論などで出てくるラーナーの独占度について、解説しています。
概要
ラーナーの独占度(Lerner’s index)とは、企業がどれだけ独占的に行動しているかを示す指標です。
0から1の間の値をとり、この値が大きいほど、独占的であるとされます。
定義
ラーナーの独占度は、次のように定義されます。
ラーナーの独占度 = (価格 – 限界費用) ÷ 価格
この式から分かるように、ラーナーの独占度は、価格と限界費用(生産量を1増やしたとき、増加する費用)の乖離幅を示す指標です。
完全競争の場合には、価格=限界費用が成立するので0となり、限界費用以上に高い価格をつけることができるほど、値は大きくなります(限界費用が0という極端な場合に、1となります)。
完全競争の場合(限界費用=価格) ¨ ラーナーの独占度 = 0
独占の場合(限界費用=0) ¨ ラーナーの独占度 = 1
需要の価格弾力性との関係
ラーナーの独占度は、需要の価格弾力性の逆数でもあります。
需要の価格弾力性とは、価格が1%変化したとき、需要が何%変化するかという指標です。
このため、価格の変化に対し需要が大きく変化するような場合(弾力的な場合)には、ラーナーの独占度は小さくなり、価格が変化しても需要が変わらないような場合(非弾力的な場合)には、ラーナーの独占度は大きくなります。
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