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産地と消費額の関係を考える。

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 農産品や食品などを見ると、産地と消費額が比例していることが多い。
 例えば、リンゴが多く獲れる青森では、リンゴの消費額が多いといったことだ。

 実際、リンゴの生産量は青森県がトップであるが、その消費額もトップである。みかんなどでも、和歌山県愛媛県で生産量が多いが、消費額も1位・2位となっている。

 何となく多く獲れるから、その地域では多く食されるのだろうと思うかもしれないが、よくよく考えるとおかしな話である。
 なぜなら、多く獲れるということは、その地域では安く入手できるし、身近に生産者などもいて、無料でもらうことなどもあるだろう。ということは、平均単価は下がるため、他の地域と同じ量を食べていては、消費額はむしろ小さくなる。他の地域よりは多く消費されなければ、上記の関係は成立しない。

 このとき、この要因を考えると、次のようなことが考えられる。

  • 地元のものだから、より好きになっている
  • 多く獲れるため、様々な料理法などがある
  • 食文化として、根付いている
  • なじみ深い など


 勿論、このような要因は無視はできない。
 一般に、地域グルメなどを新しく開発した場合、まずは地域の人に愛されることが重要である。その意味でも、地域の人に愛されるその地域の産品は、その消費も多くなるのだろう。

 ただ、これはあくまでも需要面の話である。供給面で考えることも重要だ。

 産地であれば、当然、地元のテレビやニュースなどで、その商品が取り上げられる。小売店などでも、棚としてその商品が占められるだろう。
 産地ということは、消費者からすれば多く接することができると共に、他の地域のものを排除しやすいということもある。そして、消費者の選択の可能性を絞り、その産地のものが選好されやすい状態を生み出しているといえよう。

 地元のものだから好きだという効果もあるが、同時に、それを媒介しているメディアや小売りの効果を無視してはいけないと思う。

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