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移出基盤モデル

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概要

 移出基盤モデルは、地域経済学における分析モデルの1つです。

 地域経済について、地域外へ財・サービスを移出する移出産業(基盤産業)と、移出産業の地域内需要や地域内の需要に応じる域内産業(非基盤産業)に分けて、分析を行います。特に、このモデルでは、移出産業の成長が地域経済の成長をもたらすとされています。
 また、需要に応じて経済が成長するとする「需要主導型モデル」の1つでもあります。

モデル

 就業者数について、移出基盤モデルを考えます。
 地域の総就業者数をT、基盤産業就業者数をB、非基盤産業就業者数をNとすると、次式が成り立ちます。

  T=B+N

 ここで、非基盤就業者数は、その地域の総就業者数に比例すると仮定し、N=aTとする。これを上記の式に代入し、変形すると、次のようになります。

  T=(1/(1-a))B

 この式から分かるように、基盤産業就業者数Bが大きくなるほど、総就業者数Tは大きくなり、地域経済は発展する。1/(1-a)は、基盤産業乗数と呼ばれるもので、この乗数が大きいほど、基盤産業の成長が、地域経済の成長をもたらします。

参考

山田浩之、徳岡一幸『地域経済学入門 第3版 (有斐閣コンパクト)

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