スポンサーリンク

ゆるキャラグランプリって、効果があるのか?

スポンサーリンク

 先週、2013年のゆるキャラグランプリの結果が発表され、栃木県佐野の「さのまる」が優勝したようだ。

 グランプリ自体は、2010年から始まり、今回で4回目。
 くまモンなどの経済効果がよく報じられ、自治体や地域の経済団体などでは、このグランプリに優勝すると、大きな経済効果が得られると思って、やっているのだろう。
 そのためか、エントリーしたゆるキャラは1580体、最終総投票数は1743万533票と、いずれもゆるキャラグランプリ史上、最多となった。

 しかし、グランプリが盛り上がりを見せるにつれ、その効果は小さくなっていると思っている。
 そこで、ゆるキャラグランプリの効果について、調べてみた。

 調べる方法としては、「googleトレンド」。
 今さら説明する必要もないかもしれないが、あるキーワードについて、どれだけ検索されたのかを調べるツールである。勿論、これで経済効果が判るわけではないし、あくまでもあるキーワードがどれだけ検索されたかという指標に過ぎないので、本当の人気の有無とは、関係がない部分も多い。ただ、そのゆるキャラについて、関心度などを表す指標として機能し、効果という点を考える上では代理変数になりうると思われる。

 そこでまず調べたのが、一昨年・昨年に優勝した「くまモン」「バリィさん」の指数の推移である。
 下の図1は、過去2年間の指数の推移であるが、見たらわかるように、凡そ「くまモン」は「バリィさん」を上回っている。ただ昨年、「バリィさん」がゆるキャラグランプリに優勝したときは、大きく「くまモン」を上回る結果となっていた。
 つまり、「バリィさん」はグランプリに優勝したことで、一時的に注目度は上がったが、その効果は継続せず、その後は「くまモン」に後塵を拝しているということだろう。

くまモン・バリィさんの指数
図1:くまモン・バリィさんの指数(過去2年)


 ただ、今でも「くまモン」は人気があると思われるかもしれない。確かに人気はあるのだろうが、最近は「ふなっしー」を見る機会が多い。そこで、過去1年の「くまモン」と「ふなっしー」の指数を見たのが、図2である。
 「ふなっしー」は、 よく知られているように非公認のゆるキャラで、昨年のゆるキャラグランプリでは506位。そのため、グラフから分かるように今年1月にはほとんど関心を持たれていなかった。が、その後注目され、現在は圧倒的に「くまモン」よりも「ふなっしー」に関心がもたれていることが分かる。グラフには入れなかったが、当然、昨年優勝した「バリィさん」は「くまモン」よりも指数は低いので、更に「ふなっしー」との差は大きくなる。
 つまり、ゆるキャラグランプリに優勝しようがしまいが、関係ないということなのかもしれない。

くまモン・ふなっしーの指数
図2:くまモン・ふなっしーの指数(過去1年)


 とはいえ、上記の「バリィさん」のように、短期的には注目を集めるのかもしれない。
 ただ、このような効果も弱くなっていると言わざるを得ない面がある。

 下の図3は、今年のゆるキャラグランプリ以降の「くまモン」と「さのまる」の指数の推移である。ゆるキャラグランプリの発表があった11/24の翌日・翌々日の25日・26日こそ、くまモンを上回っているが、それ以降は、今年優勝したにもかかわらず「さのまる」は「くまモン」に負けていることが分かる。

 とはいえ、こんなことはどうでもいいのかもしれない。なぜなら、図3に「ふなっしー」の指数を加えたのが、その下の図4で、「くまモン」と「さのまる」の争いなど、コップの中の争いに過ぎないからだ。

くまモン・さのまるの指数
図3:くまモン・さのまるの指数(過去1週間)


くまモン・さのまる・ふなっしーの指数
図4:くまモン・さのまる・ふなっしーの指数(過去1週間)


 以上で見たように、ゆるキャラグランプリは、効果が小さい、もしくは小さくなっていると言わざるを得ない。

 勿論、ゆるキャラグランプリ自体を否定するつもりはないし、このような取り組みは面白いと思っている。また、あくまでもgoogleトレンドで見ただけなので、本当の人気とは異なる部分があるだろう。

 しかし、自治体や経済団体などが、ゆるキャラグランプリに優勝し注目を浴び、地域おこしなどを図りたいと考えているようならば、そのような戦略は見直したほうがいいのかもしれない。

コメント