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次の地域おこしで注目しているのは、音頭・盆踊りである。

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概要

 道後温泉では、オリジナル盆踊りを制作し、新たな地域おこしを行おうとしている。
 来年を目途に、新たな曲や振り付けを作り、参加型のイベントを行おうというものらしい。


 以前「地域おこしのジレンマ」で、次に地域ソングが来るのではと書いたが、その中でも私は、音頭や盆踊りというものに注目している。


地域おこしと音頭・盆踊り

 そもそも、音頭や盆踊りというのは、次のように地域おこしになじみやすい面がある。

 1つは、地域性を表しやすいという点である。地域によっては、昔から使われているものもあれば、地域性を出しやすいため新たに制作することも可能である。また、「地域おこしのジレンマ」でも述べたが、地域おこしの周期性を考えたとき、地域+音楽というものが、そろそろ求められるのではと思っている。

 2つは、イベント性があるということだ。いうまでもなく、歌・踊りであるため、音頭・盆踊り自体がイベントである。加えて、その歌や踊りも単純な場合が多く、様々な人が参加しやすい。この点でイベントといっても、参加型イベントとして、運営が可能となる。

 3つは、盆踊り大会などに見られるように、周辺ビジネスも行いやすい。例えば、盆踊り大会での出店、服装としての浴衣など、多くの地域の事業者が関連してくる。この点で、地域おこしという地域全体で行うものとして、なじみやすい。逆に言うならば、地域全体を巻き込むような形でなければ、その音頭・盆踊りは成功しないだろう。

 4つは、地域おこしとは関係ないが、音頭・盆踊りというものを発信しやすい環境になったということだ。YouTubeなどの動画サイトにアップすることで、容易に日本全国に発信をすることができる。地域おこしを行うのに、ネックになっているものとして、資金不足がある。かつてならば、音頭・盆踊りを発信しようと思っても、CD制作など大きなコストがかかっていたが、今は容易となっている。

 以上のように、音頭や盆踊りでの地域おこしに、私は非常に注目している。


課題

 とはいえ、単純に地域で音頭・盆踊りを制作すればいいというものではない。
 全国的な広がりを見せ、継続していくには、次のような点が課題として挙げられるだろう。

 1つは、季節性の問題がある。盆踊り・音頭などは、夏場の短期間に行われる場合が多い。これでは、地域の人にとっても定着がしにくく、観光客としても期間が短すぎるだろう。準備期間や周辺事業を含め、盆踊り・音頭を周年化するような仕組みが必要だ。

 2つは、ある地域だけで音頭・盆踊りが盛り上がっていては、全国的な広がりは難しい。そこで、他の地域と連携して、音頭・盆踊りを展開していく必要がある。また、そのためには、やはりコンテストなど、地域ごとの音頭・盆踊りを比較できるようなイベント・仕組みが必要になるだろう。

 3つは、上記のようなコンテストなどを行う場合には、比較するのが非常に難しい。音頭・盆踊りの良さは手軽に参加できるという点である。そこで、高度な踊り・音楽という形での比較は難しい。そのため、面白さ・参加しやすさなどの違う評価軸が必要となる。また、単純に踊り・音頭の素晴らしさなどで評価する場合には、コンテスト用と一般用の2つのバージョンを用意する必要も出てくるだろう。

 4つは、音頭・盆踊りというものは、コンテンツであるという点だ。一時的なブームに終わらせないために、このコンテンツという側面を十分に考えて、仕組みを構築すべきであろう。一般的なメディアなどでは無料で世の中に広め、他方、CD・DVD・カラオケなどで収益を上げ、事業として継続できるような仕組みも用意しておいたほうがいい。これまでは、地域おこしにはこのような視点はなかったが、今後は、しっかりとビジネスモデルも構築して、継続性を担保していくべきである。

 以上のように課題があり、私自身はこれについて、あまり回答は考えていない。
 ただ、地域おこしにおいて、音頭・盆踊りは注目すべき要素だと思っている。上記のような点に注目して、音頭・盆踊りでの地域おこしを行ってほしいと思う。

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