湘南の海で、海の家が「クラブ化」して、問題となっているようだ。
近隣住民から騒音に対する苦情があったり、風紀の乱れや乱闘などによる警察出動もあるようである。
確かに、上記のような騒音や乱闘などは問題であるが、違う側面から見れば、このようなニーズがあるということである。
踊ったり、騒いだりする場所として、街中の狭い空間でもいいが、屋外的で開放感溢れるようなところで楽しみたいという欲求もある。
そもそも、祭りなどは、夜、外、踊り、男女などがキーワードと言えるが、クラブは祭りとの共通点も多く、クラブに欠けていたのは、屋外性や開放感だろう。この点で、海の家がクラブ化するというのは、当然、帰結なのかもしれない。
右のグラフは、海水浴、サーフィン、ヨットなどについて、2001年を100とした参加人口の推移である。例えば、海水浴は2001年には2,550万人参加したとされているが、2011年にはその3分の1になっている。
この状態では、海の家の存続も難しい。逆に言えば、このような海水浴客の減少を受けて、新たな顧客開拓のため、海の家が「クラブ化」したともいえよう。
いずれにせよ、海の家の「クラブ化」には、ニーズがあるということだ。
湘南の海水浴場では、音楽を禁止したり、規制をかけようという動きもあるようである。湘南は、特に海・若者などといった点で、ブランドを築いてきたが、これらの動きは、このブランドに逆行する。下手に規制をかけると、海水浴客の減少やブランド力の低下を招くだろう。
また他の海水浴場は、チャンスともいえる。確かに、様々な関係者が多く難しい面もある。しかし、このようなニーズを受け止め、場を提供することで、海水浴客増加や地域活性化にもつながるだろうし、新たなブランド形成をできるかもしれない。
どんなものにも、プラスとマイナスがある。騒音や乱闘などは確かに問題であるが、マイナス面を取り除こうとして、規制などを行うと、プラス面も失われてしまう。逆に言うと、マイナス面のような「いかがわしさ」があるからこそ、惹かれる部分があり、ニーズがあるのだろう。
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