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伝統野菜の認証制度。方向性は正しいが…。

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 京野菜などのように、様々な地域で伝統野菜がある。そして、自治体などではこのような野菜を認証して、PRを図っている。

 しかし、このような認証をしても、広がるわけがない。出口(マーケット)を何とかしないとどうしようもない。\r\n そこで、最近行われているが、伝統野菜を使っている小売店や飲食店などを認証しようというものだ。
 例えば、石川県の加賀野菜では、加賀野菜認証制度を設けている。

 また、京都でも京野菜を扱う飲食店登録制度を、今後スタートさせるそうだ。

 このようにして、より消費者に伝統野菜を購入してもらう取組みが出ている。

 しかし問題は、伝統野菜の生産量である。いくら販売をしても、伝統野菜自体はかなり生産量が縮小しているため、対応できない。また、生産量縮小に伴い、価格も高い。そのため、飲食店などで扱ってもらっても、財の緩んだ観光客向けにはいいかもしれないが、地域の人には縁遠い話である。また、観光客にしても、(値段が高いため、味へのハードルが上がり)味はそれほど変わらないが、単なる高い料理などと、マイナスイメージをもたれる可能性がある。
 つまり、やっている方向性は正しいが、課題もある仕組みだ。

 やはり伝統野菜の復活には、誰かがリスクをとって行うしかないと思う。売れるかどうか分からないが生産者が規模を拡大するか、買取を保証して生産量を増やしてもらい、小売店・飲食店が売り切るか、それらの事業性を見て投資家や金融機関がお金を出すかである。

 工場でも何でも、大きく規模を拡大するには、リスクが生じる。例えば、非常に儲かっていて増産が足りず、新規に工場を作らなければならない状態を考えると、儲かっている状態として先が見えるのはせいぜい1・2年である。しかし、新工場建築費用の返済は、通常5年・10年・15年など、中長期で行うことになる。つまり、今儲かっていても、新工場建築にはリスクが生じるのである。

 つまり、リスクをとらずして、伝統野菜の復活は難しいだろう。


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