概要
先発優位とは、ある市場にいち早く参入するほど、より大きな市場シェアを獲得できるという法則です。
一般的に、市場への参入が遅れるほど、その市場シェアは低下します。また、先発ブランドが市場に投入されてから、市場参入への期間が遅れるほど、その差は大きくなると言われています。
ただ、必ずしも先発優位が成立するわけではなく、後に出したブランドが優位になるような後発優位という現象もあります。
また、先発ブランドの場合には、その製品・サービスの特徴などが知られておらず、習慣化もされていないため、PRコストが多く必要となったり、市場形成そのものに時間がかかることが多くあります。
先発優位の要因
先発優位の要因として、次のようなものが挙げられます。
①消費者による認知の優位性
ある製品=先発ブランドという印象が消費者にもたらされ、優位性が生み出されます。
また、どのようなものでも、1番目は知っているが、2番目以下は認知されにくいという心理も働いています。
②経験効果
製品によっては、多く生産するほど、単位費用が減少するという経験効果があるものがあります。
いち早く市場参入することで、経験効果による費用減少の効果を早く享受でき、優位性も生み出されます。
③消費者ニーズの把握
新しい市場に参入した場合に、必ずしも完成した製品・サービスが投入されることはありません。
そこで、早く市場に参入すると、より早く消費者の要望・ニーズなどの情報が得られ、改良などを加えることができます。
④うま味のある市場
新しい市場に参入した場合、初期採用者といった、新しいもの好きがその製品・サービスを購入することになります。この場合、あまり価格には敏感ではありません。
しかし、後発で参入すると、市場としては新製品をあまり利用しない消費者層が多くなり、市場的にはうま味は少なくなります。
⑤有利な市場ポジション
魚釣りの場所取りのように、有利な市場ポジションが分かっていれば、そのポジションをいち早く採ることで、優位になります。
⑥製品の規格設定のしやすさ
自らの製品の規格が、新たに登場した製品カテゴリーの規格としやすい面があります。
逆に、後発はその企業の規格に従うしかなくなってしまいます。
⑦切替コストの発生
消費者心理として、利用している製品・サービスから他のものに切り替えるには、金銭的・心理的なコストが発生します。
そうすると、早く市場に参入し、製品・サービスを利用してもらうことで、他の企業の製品・サービスへの切り替えが行われにくくなり、顧客の固定化を図りやすくなります。
⑧希少資源の先取り
原材料であったり、流通網について、先取りすることで、優位性が生まれます。
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