概要
PFI(Private Finance Initiative)とは、民間の資金を活用して、公共サービスを提供するという仕組みです。
通常、病院や図書館など公共サービスを提供する場合は、行政が資金を用意して、行政が施設整備や運営を行います。
しかし、PFIでは民間が自ら資金を調達し、施設について整備・運営を行うことになります。行政は、その施設整備費用や運営費用について、サービス購入料として、複数年にわたり支払いを行っていくというものです。
イギリスで生まれた仕組みで、日本では1999年に、議員立法によりPFI法が制定され、制度としてスタートしています。
法律
PFI法(正式名称:民間資金等の活用による公共施設等の整備等の促進に関する法律)は、1999年に制定・施行されました。
その内容の中心は、PFIに係る手続きを定めたものであり、PFIを行うにあたってのルールを定めています。また、国の債務負担行為の期間を拡大するなど、PFIを実施するにあたっての規制緩和も行っています。
また、2011年に、法律が改正され、施設運営において民間事業者が料金を自らの収入とできるような「公共施設等運営権」の導入がなされています。
現状
1999年の導入以来、2000年代の行政改革や民間活用の流れの中で、国は勿論、全国各地の自治体でPFIが行われ、平成24年度には累計で約400件の実績となっています。
ただ反面、2000年代には年間30~40件の件数がありましたが、2010年10~20件と件数は落ち込んでいます。

PFI件数
これは、単なる民活を進めようという流れからいったん落着き、PFIというものがどういうものか理解が進んだからだと思います。
また、PFIになじみやすい分野、なじみにくい分野があります。
例えば、図書館などは比較的なじみやすい分野だと言えるし、逆に水道などはなじみにくい分野です。そして、このなじみやすい分野について、ある程度、PFIが進んでしまったため、件数の落ち込みに至っているのだと思います。
また、PFIを使わずとも、指定管理者など他の制度でも対応できるため、あえてPFIを行わなくてもいいという認識が出てきたからだろうとも思います。
参考
福田隆之、黒石匡昭、赤羽貴、日本政策投資銀行PFIチーム『改正PFI法解説―法改正でこう変わる
』
野田由美子『PFIの知識 (日経文庫)
』
杉本幸孝監修『PFIの法務と実務
』
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