概要
公契約条例とは、地方自治体が入札や契約を行うに当たり、自治体独自の基準・ルールを定めた条例です。
公契約基本条例・公共調達基本条例などの名称を用いている自治体もあります。
地方自治体の入札・契約のルールについては、従来より地方自治法などで定められていますが、景気低迷、企業競争の激化などから採算を無視した受注が行われたり、プロポーザル方式の導入が進み、地方自治法で定められたルールだけでは対応できないなどといった点から、導入する自治体が増えています。
種類
公契約条例といっても、それぞれの自治体で異なるわけですが、労働報酬の下限を定めているいるか否かで、2つのタイプに大別されます(この中間のものも存在する)。
労働報酬の下限を定めているもの
1つは、受注企業の労働条件の改善を目的として、労働報酬の下限を定めているものです。
全国で初めて公契約条例を導入したと言われる千葉県野田市が、このタイプです。
野田市「公契約条例に関する情報」
受注企業に直接、規制を加えるので効力としては大きいのですが、反対意見・デメリットとしては、最低制限価格の調整など他の制度で対応できる、受注企業の事務負担の増加などが挙げられます。
労働報酬の下限を定めていないもの
もう1つは、労働報酬の下限を定めず、入札・契約にあたっての理念・考え方などを示しているタイプです。
例えば、山形県では、条例自体においては、個々の入札・契約制度について規制を行っていませんが、山形県公共調達評議委員会の設置を義務づけ、この委員会で入札や契約の在り方を検討することとしています。
参考
愛知県「公契約のもとで働く人の賃金について」
世田谷区「公契約のあり方検討に関する中間報告書」
コメント