福岡県の地域経済

基本情報

概要

　福岡県の県庁所在地は福岡市で、面積は4,847.2k㎡（全国29位）と中規模の県である。
　また、同じ九州の佐賀県、熊本県、大分県とは陸上で、長崎県とは海上で隣接している。更に、山口県とは海上で隣接しているとともに、関門橋や関門トンネルで結ばれている。

県内市町村

インフラ

港湾

　福岡県には、北九州港・博多港の国際拠点港湾が2港、重要港湾が2港、地方港湾が5港ある。

空港

地域鉄道事業者

人口

　戦前から大きく人口を伸ばしていたが、太平洋戦争時の疎開や空襲で大きく人口を減らす。戦後は、1950年代以降、人口流入もあり、人口増加は停滞する。1970年代後半になると人口流入もあり、人口は大きく伸び、人口増加率は低下しながらも、現在に至るまで増加基調にある。

県内GDP

名目GDP

　福岡県の名目GDPは、1990年代には約18.2兆円あったが、現在では約17.6兆円で全国9位(2009年度)の経済規模である。
　名目GDPの比率(2009年)を見ると、最も大きいのが民間消費の53.9%、次に政府支出の25.6%となっている。全県計と比較すると、民間投資と移出入等が若干低く、政府支出が若干大きいものの全県計に近く、全国平均的な経済構造といえる。

　成長率で見ると、増減はあるものの2000年代中頃にプラス成長になり、2000年代後半にはマイナスになるという全県計と同様の傾向がうかがえる。寄与度を見ると、2000年代以降、民間投資や移出入等の増減に左右されているが、民間消費はおおむねプラスとなっていることが分かる。

　産業別比率で県は、サービス業の比率が最も大きく（25.5％）、次に製造業（15.1％）、不動産業（12.8％）となっている。特化係数で見ると、全体的にバランスがとれているが、やや卸売・小売業がやや特化していることが分かる。

1人当たり県民所得

　福岡県の1人当り県民所得は、全県計よりも低く、2009年度には263万円で全国18位である。
　増加率で見ると、2000年代中頃にはプラスになり、2000年代後半にはマイナスになるという全県計と同様の傾向が見られる。

所得乗数

物価

　福岡市の消費者物価指数は、全国平均と同様に低下傾向にあり、全国平均に比べ下落幅は大きい。また、地域差指数で全国平均と比較すると、福岡市は平成14年から全国平均並みであったが、（基準改訂もあり）平成22年には全国平均よりも下回っている。

労働

失業率・有効求人倍率

　福岡県では、失業率は全国平均以上の5～7％で、有効求人倍率は全国平均以下で、2000年代中頃には上昇したがそれ以外は0.4～0.6で推移しており、雇用環境は悪い都道府県である。

産業

農業

　福岡県の農業産出額は、平成23年には2,177億円で全国14位である。
　指数を見ると、ここ数年は、全国と同様の水準で低下が見られる。

　農業産出額の比率については、野菜の比率が35.6％で最も高く、次に穀類の21.7％となっている。なお、あまおうのイチゴが有名だが、その他作物として、花き類が産出額が高い。
　特化係数で見ても、その他作物の1.90が最も高くなっている。

林業

　2011年の福岡県の林業産出額は、1,196千万円で全国9位である。2000年代を通じ、途中減少を見せることもあるが、総じて増加傾向にある。これを2001年を100とした指数でみると、全国的に落ち込む中、全国水準よりも高い指数を示しており、2001年の水準と比べても約3～4割の増加を示している。

　福岡県の林業産出額の比率（平成23年）は、栽培きのこ類生産が最も高く85.6％、次に木材生産の13.9％となっている。特化係数で見ると、栽培きのこ類生産が1.74と特化している。

漁業

　2010年の福岡県の漁業生産額（海面）は約190億円で、39都道府県中16位である。2000年代中頃までは約170億円で推移していたが、2006年・2007年上昇した。その後、2009年には約180億円に落ち込んだが、約190億円で推移している。なお、2003年を100とした指数でみると、2000年代中頃以降は、全国よりも高い水準になっている。

　また、2010年の福岡県の内訳を見ると、魚類が69.8％でトップで、2位は貝類の10.2％、3位はいか類の5.3％となっている。全国の比率と比較するため特化係数を見ると、たこ類が大きく特化し、えび類・貝類も比較的特化している。

製造業

福岡県の製造業については、別途まとめています。

福岡県の製造業

商業

卸売業

　福岡県の卸売業の販売額は、2007年には約16.8兆円で、全国4位である。1990年代中頃までは増加を見せていたが、その後減少し、2000年代には約16～17兆円で推移している。
　1991年を100とした指数を見ると、1990年代には全国が減少を示す中、増加を見せていたが、2000年代になると、全般的に全国と同様の水準で推移している。ただ、全国よりも福岡県の落ち込みは小さい。

小売業

　福岡県の小売業の販売額は、2007年には約5.4兆円で、全国9位である。1990年代中頃までは増加していたが、1990年代後半より減少し、2000年代中頃からは若干回復している。
　1991年を100とした指数を見ると、おおよそ全国と同様の動きを示しているが、全国以上の水準で推移しており、2000年代は1991年の水準を維持している。

W/R比率

地域金融

金融機関

預貸率

　預金は増加傾向、貸出は2000年代中頃に低下したが、近年は若干回復し約14兆円で推移している。全国平均よりも高い預貸率も、かつて100％を超えていたが、現在はも80％弱に低下している。

民放メディア

　民放テレビ局は、日本テレビ系・TBS系・フジテレビ系・テレビ朝日系に加え、テレビ東京系のTVQ九州放送もあり、計5局となっている。

テレビ局

その他のメディア

文化・教育機関

美術館

大学

　福岡県には、国立大学が3校、公立大学が4校、私立大学が26校、短期大学が20校、計53校の大学がある。言うまでもないが、九州地方で最も大学が集積している県である。

スポーツ施設

公営競技場

福岡県には、競馬場が1つ、競輪場が2つ、競艇場が3つ、オートレース場が1つある。
全国ですべての種類の公営競技場があるのは埼玉県と福岡県のみで、公営競技場の数も東京都と並び、全国トップの7つである。