概要
外国人観光客数が増えており、昨年、外国人観光客数が1000万人を超えた。
この動向は、現在でも続いており、左下のグラフのように、本年に入ってからでも前年比で20%以上の増加を示している。
特に、2004年から2013年の過去10年の外国人観光客数をみる(右下のグラフ)と、2000年代中頃から800万人程度であったが、リーマンショックや東日本大震災での減少を経て、その後、大きく増加に転じている。
そこで改めて、外国人観光客の動向について、調べてみた。
多いのは、韓国人と台湾人
例えば、2012年から2013年には24%外国人観光客が増加しているが、そのうち20.7%をアジアの増加が支えているなど、アジアの外国人観光客の影響が非常に大きい。
これは他の年でも同様で、例えば、東日本大震災のあった2011年は、全体では-27.8%の減少となったが、そのうちアジアは-21.0%と、減少に大きな影響を与えている。
つまり、外国人観光客の増減を考える上で、アジアからの観光客数が非常に大きなインパクト持っていることが分かる。
アジア全体では1.93倍と、過去10年でおおよそ倍の増加となっている。また、中国人などは2.13倍と、アジア全体よりもやや上回っているが、大きな増加を見せているのがタイやベトナムで、4倍以上の増加を示している。
また、アジアの外国人観光客の割合をみる(下のグラフ)と、その構成比では韓国や台湾が大きな割合を示している。上記のように、タイやベトナムが大きな伸びを見せているとはいえ、韓国や台湾などに比べると、まだまだ小さな割合である。
2004年と2013年と比べると、韓国の割合は減少しているが、トップは韓国、2位は台湾であることに変化はない。
どうしても、アジアからの観光客というと、中国人を想起してしまうし、中国人の割合も20%弱あり、決して小さいとは言えないが、実際のボリュームゾーンは、韓国や台湾からの外国人観光客である。
外国人観光客はアジア頼み
上記のように、アジアからの観光客が増加しており、その割合として多いのが韓国人や台湾人であるが、逆にアジア以外からの観光客についてはどうなのかが、気になるところである。
クールジャパンなどと言われ、アジア以外でも全般的に外国人観光客が増えているような印象もある。
右はアジア以外の外国人観光客数の推移であるが、外国人観光客数全体と同様に、2011年の東日本大震災以後、増加に転じ、約225万人と過去10年で最も多い観光客数となっている。
とはいえ、そもそもアジア以外では、それ以前から毎年200万人強の観光客数で推移しており、過去10年で観光客数が高かった2007年の約222万人より、約3万人増えたに過ぎない。パーセンテージでいえば、2007年と2013年では1.4%の増加率にとどまる。
今後もアジア以外からの観光客数は増加していくかもしれないが、数パーセントの伸びでは、全体としては小さなボリュームである。
このように見ると、外国人観光客数が増加しているとはいえ、アジア人頼みというところか。
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