地方自治体で乾杯条例というものを制定する動きがあります。
このことについて、書きたいと思います。
概要
富良野市で「まずはふらのワインで乾杯条例」を制定するという動きがあるようです。
2013/12/11「乾杯、ふらのワインで 富良野市、道内初の条例制定へ」
今年の1月に京都市が条例化したのを皮切りに、全国的に広がっているようです。
そこで改めて乾杯条例について調べてみると、非常に多くの自治体で制定が行われています。あくまでも制定済みのものですが、富良野市のように今後、制定するところもあり、今後も広がりを見せそうです。
ポイント
内容については、どれも似たようなものですが、権利・義務などを創出するものではなく、何の意味もないプログラム規定です(中には条例といえないようなものさえある)。
例えば、京都市の条例を見たら分かりますが、たった4条しかなく、単に「頑張ろう」と言っているに過ぎません。
【京都市清酒の普及の促進に関する条例】
第1条 この条例は,本市の伝統産業である清酒(以下「清酒」という。)による乾杯の習慣を広めることにより,清酒の普及を通した日本文化への理解の促進に寄与することを目的とする。
(本市の役割)
第2条 本市は,清酒の普及の促進に必要な措置を講じるよう努めるものとする。
(事業者の役割)
第3条 清酒の生産を業として行う者は,清酒の普及を促進するために主体的に取り組むとともに,本市及び他の事業者と相互に協力するよう努めるものとする。
(市民の協力)
第4条 市民は,本市及び事業者が行う清酒の普及の促進に関する取組に協力するよう努めるものとする。
中には、宮崎県都城市のように、「個人の自由」として条例を不採択としたところもあるようですが、堅苦しく考える必要はないと思います。
あくまでも、酒の地産地消をお勧めしたり、観光PRを目的とした条例です。
ただこれだけ増えてくると、工夫が必要でしょう。
1つは、やはり条例の名称が重要となってきます。単に「乾杯条例」では味気ないので、上記の富良野市では「まずはふらのワインで乾杯条例」というような形で、若干工夫をしています。
条文も大切ですが、それによって影響がある人が出てくるような内容ではない以上、何よりも条例の名称がポイントです。特に、観光・地域おこしなどの観点を考えると、キャッチーな名称が重要になるでしょう。
2つは、愛知県常滑市のように、酒というよりは「器」にこだわった条例も出てきています。この意味で、酒だけでなく、その地域の電工工芸はもとより、料理などの地域産品を絡めても、面白いと思います。
ゆるキャラのように、少し遊び心をもって、自治体は様々な条例を作っていったらいいと思います。
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