概要
首都圏の自治体で、樹林墓地が広がっているようである。
思えば、自治体が墓地・火葬場などを運営している場合も多く、行政サービスとしては、「死」というものは重要である。また、少子高齢化から、身寄りのない方も増え、納骨堂の需要も増えている現状もある。
今後、自治体としては、「死」に関して、新たな対応が迫られるだろうと思う。
ただあまり知られていないのは、葬儀に関する行政サービスである。
葬儀を行おうとする場合、葬儀会社に依頼するのが一般的であるが、地域によっては、行政が葬儀サービスを展開している。
パターン
何も行政サービスを行っていないところも多いが、大きく分けて、次のような行政サービスを行っているところがある。
①規格葬儀
関東で多く行われているパターンで、料金明細の明確化が葬儀会社では進んではいるが、まだまだ不明瞭な部分が多く、また家族葬など小規模な葬儀を実施しようとする方のために、行われている。
また、単に規格化が行われているだけではなく、行政が祭壇・葬儀などを貸し出しているようなところもある。
②市営葬儀
思うに
どのようなパターンがいいのかは別として、自治体としては、葬儀に関する行政サービス・施策を考える必要があると思う。
理由としては、次の2つが挙げられる。
1つは、環境の変化である。かつて葬儀といえば、大規模なものが中心となっていたが、現在は家族葬など、小規模なものも増えており、そのようなニーズも多くなっている。また、格差社会が進んでいると言われる中で、低所得者対策としても、行政が関与する必要があるともいえよう。
もう1つは、そこで、葬儀会社が現在のニーズに対応すれば、行政は何もする必要はない。葬儀会社が明瞭会計で事業を実施したり、小規模な葬儀のプランなどを提供すれば、問題はないのである。しかし、このような対応ができている中小の葬儀会社が多くはないことも事実である。
大手の葬儀業者などが大きく伸びている中で、葬儀会社も地域経済の一員であることを考えると、経済施策としても、この問題を考えるべきだと思う。特に、ある意味、成長産業(?)でもあり、ペット葬なども増えていることから、葬儀産業について、どうするかを考えることは重要であり、上記のような仕組みを通じて、対策を図ることは必要だ。
住民サイドとしては、このような取り組みが行われていることはあまり知られておらず、産業施策としてもあまり取り上げられることもほとんどない。
ただ、いずれの視点においても、葬儀というものは、行政課題として重要だと思う。
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