ここ2年、静岡県の浜松に首位の座を奪われていたが、今年度、宇都宮が餃子日本一を奪還したという。
はっきり言って、宇都宮の餃子消費量が1位であろうが、2位であろうがどうでもいい。順位に関係なく、宇都宮といえば餃子であり、餃子の街といえば宇都宮だからである。
ただ奪還に当たり、「ギョーザ日本一奪回運動」を展開し、消費拡大を官民挙げて、取り組んだ結果というのだから、その努力は非常に素晴らしいと思う。
特に、このような努力のかいもあり、1世帯当たりの餃子消費額は、平成24年から554円も増加した4,919円。2位の浜松市は4,155円と、圧倒的な勝利である。
この点で、市役所や市民の方々は、非常にうれしいと思う。
思えば、この宇都宮の餃子に対する取組み・ブランド化は、ある種、地域のブランド化に成功した事例の一つといえよう。
多くの市町村では、質問されても、どんな街か答えることができないところが多い中、宇都宮は多くの人が、「餃子の街」と答えるだろうからだ。そして、餃子のヴィーナスの像があったりもし、餃子を食べに観光客も訪れる。
まさしく、宇都宮は、餃子をうまく利用して、観光・地域活性化などに成功した街といえよう。
しかし思うに、折角の餃子ブランドがありながら、「産業化」という点ではうまくいかなかった(うまくいっていない)街とも感じている。
餃子というものを中心に産業化を進める場合、外食・食品・機械の3つの点で、市外にも展開することができたはずだ。
外食とは、この宇都宮の餃子ブランドをもって、市外などに外食のチェーン店として、展開するという方法である。しかし、餃子のチェーン店といえば、「餃子の王将」などがあり、市内の飲食店は市外へは多くは展開できていない。
食品にしても、餃子ブランドがありながら、冷凍餃子などは、大手の食品メーカーがその市場を占めているだろう。
機械については、「餃子を作る機械」を製造するメーカーが誕生し、市外へその機械を販売するという道もあったはずだ。(私が知らないだけかもしれないが)ネットで調べてみても、餃子の製造機は他の地域で作られていることが多いようである。
このように、改めて宇都宮というところを考えると、ブランド化は成功したが、産業化はうまくいっていないところといえよう。
ただ別に勝負は決まったわけではない。
折角、日本一を奪還したのだから、改めて「産業化」という視点で、地域経済の発展などを考えてほしいと思う。
コメント