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もっと広がれ!養殖業

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 先日、クロマグロの養殖について、「近大マグロの銀座進出! マグロ養殖が本格化したようだ。そこですべきことは…。」で記事を書いたが、ここ数日、他の魚種の養殖業への参入について、いくつかニュースがあった。

外部リンク2013/11/9 日本経済新聞ヨンキュウ、ウナギの養殖事業参入


 そこで改めて、養殖業について、調べてみた。

 右上のグラフは、海面・内水面養殖の生産量の推移である。
 緩やかに減少し続け、平成23年には東日本大震災があり、三陸海岸の養殖業がダメージを受けたため、大きく減少している。

 次に、水産業自体は減少傾向にあるため、養殖業と(養殖業以外の)漁業について、平成13年度を100とした指数をとったのが、右下のグラフである。
 確かに、養殖業・漁業共に減少傾向にあるが、平成23年度の震災による落ち込みを除けば、比較的、養殖業のほうが落ち込みは小さい。

 とはいえ、養殖業も減少していることは間違いなく、一般的には、次のような原因が言われている。

  • 価格の低迷
  • 飼料価格などの上昇
  • 赤潮など漁場の悪化

 特に、養殖業だけに関連するものは、赤潮などの漁場悪化被害だろう。ただ、のりなどは逆に、浄水などがしっかりと行われるようになり、栄養が少なくなり、色落ちなどの被害も起こっている。

養殖業の生産量

養殖業の生産量


養殖業・漁業の生産量(指数)

養殖業・漁業の生産量(指数)

 よく農業などは成長産業の一つだと言われているが、私は養殖業こそ、大きな成長産業の一つではないかと思っている。

 世界的には今後、食糧需給は逼迫化していくだろう。自然界だけの資源に頼っていてはとてもその需要には応じられなくなる。農業・畜産業などの生産量増加も必要だが、当然、水産業においても生産量の増加が重要となる。そこで、その生産量の増加に対応できるものとして養殖業が重要になるに違いない。

 このとき、養殖業について2つの面で考える必要がある。
 1つは、養殖業そのものが広がることであり、もう1つは養殖業を支える技術だろう。特に、後者の養殖技術については、いかにうまく養殖するかという実際の生産技術だけでなく、飼料や浄化などといった技術も絡んでくる。
 例えば、岡山理科大学では、「好適環境水」という水を使い、海水魚を淡水で養殖する技術を開発している。更にこの水を使うと、海水で養殖するのに比べ、2倍のスピードで成魚になるという。

外部リンク2013/10/22 産経ニュース「理大クエ、初出荷 岡山中央卸売市場に “幻の高級魚”を養殖」


 私は、地域経済の再生を図るためには、養殖業というのは重要な産業ではないかと思っており、更に後者の養殖技術というものも考えて、地域として育成していく産業ではないかと思う。

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