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よくよく考えたら、「ゆるキャラ」は無意味なものだった。

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未だ話題になるゆるキャラ

 正直、「ゆるキャラ」というものが、現在でも、活躍しており、話題になっているとは思っていなかった。
 かつてほど、ブームではなくなったと思うが、「ふなっしー」は人気であり、「ねばーる君」といった新たなゆるキャラも台頭している。

 日本全国には、何千体と言われるゆるキャラがいると言われる。
 その多くは、かつてのゆるキャラブームの中で作られたが、実際の効果は、認知度は上がらず、PR効果には程遠いといったところが現状だろう。
 そして自治体・経済団体などは、予算がつけば(あれば)何となく継続、そうでなければフェードアウトというのが現状だろう。

 しかし、よくよく考えれば、ゆるキャラというものは、全く無意味である。


ゆるキャラは競争

 今更言うわけではなくが、ゆるキャラは競争場である。

 ブランド総合研究所の調査によると、「全国の回答者のうち20%以上に認知されている自治体は7つしかなく、他の圧倒的大多数の自治体は軒並み認知度が低いという「ロングテール現象」が顕著に見られました。」とあるように、ほとんどのゆるキャラは知られていない。

2015年2月9日 ブランド総合研究所「ご当地キャラクターが知られている自治体ランキング ~ぐんまちゃんの群馬県、ひこにゃんの彦根に及ばず!~」

 逆に言えば、一部のゆるキャラのみが大きく成功し、他はほとんどうまくいかないという「勝ち組・負け組」に分かれているということだろう。


勝ち組・くまモンの経済効果

 とはいえ、勝ち組になれば、その効果は大きいだろう。
 ふなっしーなどは個人がやっているので、その収入や効果などは分からないが、くまモンに関していえば、熊本県が公表しており、くまモンを利用した商品の売上は、2014年でも600億円を超えるという。

2015年3月7日 熊本日日新聞「くまモン14年も稼いだモン 商品売上高が最高」

 昨年はといえば、人気は、くまモンよりもふなっしーのほうがあったと思われるが、この効果はすごいと言わざるを得ない。

 ただ、この数値は、注意しなければならない点もある。
 とりあえず、くまモンマークがついていれば、この効果にカウントされる。むしろ重要なのは、このマークがついているから、買う人がどれだけいるかである。(数値的には把握できないが)当初は、その効果はあっただろうが、現在では、効果は薄まっているのではないかと思われる。
 更に言うならば、(熊本県産というルールがあるので直接効果もあるが)キャラクターを通じ商品を買った人に対して、熊本の物の認知度を上げるという効果も重要であるが、顧客属性を考えれば、その効果は更に薄いのではないかと思われる。

 そしてこの部分に、ゆるキャラの問題点の本質があるのではないかと思う。


問題点

 ゆるキャラの本当の目的は、地域であったり、地域の産品などのPRである。

 しかし、いくつも人気のゆるキャラが現れているが、その情報は、ほとんど伝わっていないのではないと思う。

 ふなっしーは船橋の非公認キャラだが、船橋と梨以外の情報は何も得ることができない。くまモンにしても、熊本の地名の認知度(?)は上がったが、くまモンから付加的な熊本情報を得ることはあまりなかった。

 しかも、ふなっしー・くまモンなどのゆるキャラのブログ・ツイッターなどを見ても、まずはキャラ立ちをさせるため、地域のPR情報は後回しである(どこどこのイベントに参加したなどが多いように思う)。

 確かに、一時期、くまモンなどは、そのキャラクターが付されていることで購入した人も多くいただろうし、熊本産などのしばりがあるので、熊本県の経済にはプラスであったと思う。

 しかしこれは例外であり、そもそもの目的であり、地域のPRすらできていないのが、ほとんどである(しかも、ふなっしーやくまモンでもあまりできていると思われない)。


まとめ

 正直、私もあまり認識していなかったが、ゆるキャラというのは、手段と目的がずれてしまう方法ともいえる。

 地域をPRするという目的のために、ゆるキャラを用いるのだが、ゆるキャラ自体の知名度などがなければ、手段としては活用できない。そのため、手段としてのゆるキャラのキャラ立ちを目指すのだが、その結果、手段と目的が逆転し、ゆるキャラのPRが目的化してしまう。

 この点で、ふなっしーのように個人・民間がタレントとしてやるのはいいだろうが、地方の自治体や経済団体などが、PRを目的として、ゆるキャラを使うというのは、無意味であり、無駄である(ゆるキャラには、それ以外の効果もあるので、すべてを否定しているわけではない)。

 そろそろ、千葉県のチーバくんの着ぐるみ貸し出しのように、その目的・あり方を変えてきていい時期のような気がする。

コメント

  1. 通りすがり より:

    くまモンはイベントは熊本と関係のある物しか出ませんし
    (こじつけに近い場合もありますが)
    Twitterなどで告知されてるイベント会場では
    熊本県や熊本県産品のお話ばかりです。
    それに面白い動きがあるから良い客寄せパンダになり
    皆足を止め聞いてくれてるかたちになっています。
    正直、アンバサダーのお姉さんがきて
    話しているだけの地域のPRとは
    集まっている人の数がけた違いです。
    少なくとも私の周囲では
    くまモンがきっかけで熊本県のことを知り
    実際に阿蘇や天草に足を運ぶ人がいますし
    県産品や名物品を購入している人も居ます。
    ふなっしーはご当地ブームに乗っかって
    個人の商売をしてる感じで
    船橋市とは関係ない仕事の方が多いんじゃないという感じです。
    くまモンが成功したのは熊本県に
    阿蘇、天草、球磨、馬刺、赤牛、海の幸、熊本城等々と
    元々観光資材が多かったから
    くまモンで集客できたと思います。
    観光資材のない地域はどんなキャラを作っても
    観光客はこないでしょう。
    せいぜいキャラクター使用料ロイヤリティから発生する
    税収の微増であると思われます。
    オカザエモンは良い例です。
    岡崎にはさりとて思い浮かぶ物がないエリアです。
    キャラの人気は出ても知名度が上がっても
    観光客を呼ぶには至らないのです。
    くまモンのイベントでの様子はYouTube等にも
    多数あがっております。
    たまに完全キャラ目当ての方が
    熊本の話ばっかりで飽きたという人が居るほどの
    PRぶりです。
    記事を書くには少し取材が足りないと思います。