福岡の蔵元が、世界最大級のワイン品評会インターナショナル・ワイン・チャレンジの日本酒部門で、最優秀賞に輝いたそうだ。
ただ、この蔵元については、どうこういうつもりはないが、何となく悲しい感じがしている。
なぜなら、海外のワインのコンテストで評価されているからだ。日本酒は日本のものであるので、本来ならば、日本のコンテストで評価されたものが、世界的な評価とつながるべきである。例えば、(独)酒類総合研究所では、全国新酒鑑評会というものをやっている。このような国内の品評会での評価イコール世界的な評価となってほしいものである。
そうならないのは、2つの理由が考えらえる。
1つは、世界においてまだまだ日本酒の認知度が低いためだろう。逆に言うならば、日本酒の認知度を高めるため、上記のようなワイン品評会でPRしているといえる。
2つは、日本酒の生産が、日本のみで行われているからではないかと思う。ワインを見ると、世界の様々な国で生産がなされている。そして生産が行われているからこそ、ワインがその国の人にとって身近な存在になっている面もあると思う。また、いいものであり、売れると思うならば、外国人も自分の国でも作りたいと思うだろう。
直観的だが、飲み物・食品というものは、その国において生産と消費が深く結びついているものだと思う。
例えば、寿司を考えると、日本の寿司屋が海外に展開したから、世界的に広がったわけではない。日本人から見たら、どうかと思うかもしれないが、外国人が日本の寿司を真似て、お店を出して、広がった部分が多い。逆に、ビールのように、いいと思えば、地ビールのように日本の各地で生産される。
現在、政府は日本の飲み物・食品をクールジャパンとして、海外に売り込もうとしている。しかし、本当に海外展開しようとした場合、生産といった側面も重要ではないかと思ったりもする。日本のものに比べれば劣悪であっても、その国で受け入れられればいい。日本の飲み物・食品が海外でも作られ、外国人の日常品となったときに、「本物」として、売り込めばいいのではないかと思う。
正直、深く分析したわけではないが、飲み物・食品を考えたとき、消費という側面だけでなく、生産といった面でも海外に普及する必要があるのではないかと思う。そして、海外での生産という過程を通じ、その国での消費の拡大も見込めるのではないかと思う。
この点で、外国人に日本酒造りを教えたらどうかと思うのである。
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