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アベノミクスの成長戦略第2弾。正しいと思う反面、注意すべき点もある。

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 アベノミクスの成長戦略第2弾が発表された。
 大きな話としては、投資をしっかりと呼び込もう点だと思う。

 私は、「アベノミクス 地方衰退は加速されるから、今のうちに地方から脱出を!」で述べたが、アベノミクスの成長戦略については、否定的な見方をしていた。しかし、この投資については、大賛成だ。「なぜ、日本経済は落ち込んだのか?」で述べたように、日本経済の問題は投資にある。バブルの頃とは言わないが、1990年代後半ぐらいの投資水準に戻れば、日本経済の復活は大いに期待できる。
 それゆえ、今回の成長戦略第2弾は、おおいに歓迎である。

 しかし、安倍首相の発表を見ると、注意しなければならない点がいくつかある。
 そしてそれが特に表れているのが個人保証によらない融資という点である。

 1つは、ベンチャー企業育成には、個人保証によらない融資が重要だという点だが、ピントがずれている。通常、起業した場合(保証協会・制度融資など以外では)銀行はお金を貸してくれない。大きな資産などを持っている場合は別として、個人保証の有無とは無関係である。むしろ現在は、口座開設すら、厳しくなっているというのが現実だ。

 2つは、今更という点である。すでに金融庁では平成23年より、経営とは関係ない個人に対して連帯保証を禁止するような方向で、監督を行っている。また現在、民法の改正が進められており、連帯保証の撤廃へと動いている。すなわち、行政サイドでは、今回の点とは別に、もう進んでいる話なのである。安倍首相がこの点について、どこまで知っていたか分からないが、成長戦略といっても、新しいものではなく、既存の方針についても含まれているという点だ。

 そして何より、最も大きなものとして、上記と関連するが、行政サイド・霞が関が進めていること、進めたいということを成長戦略に載せてきているという点である。特に、今回の成長戦略を見ると分かるが、総花的になりつつある。各省庁から上がってきた案をパッチワークした感が強い。

 細かく言っていることもあれば、とりあえず入っている分野もある。細かく言っているものについてもチェックが必要だが、安倍首相があまり多くは語らず、とりあえず入っている分野などは、安倍首相のお墨付きをもらうため、官僚サイドで組み込んだ可能性も大きい。言い方を変えると、「安倍首相が大方針でいったのだから、施策を進めていいよね。予算をつけてね」という暗黙的なメッセージである可能性が高い。

 行政サイド・霞が関サイドとしては、勢いのある安倍政権で、やりたいことをやりやすい状況にある。震災復興の予算流用問題などがあったが、現在も、細かなチェックが見落としがちになりやすい状況だ。

 政治家やメディアがしっかりとチェックをしないと、アベノミクスは、霞が関を太らせる政策になりかねないと思う。


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