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老朽インフラの修繕、今がチャンスだ。

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 公共インフラの老朽化が問題となっている。
 例えば、右の表は「平成23年度 国土交通白書」からの抜粋だが、現在でも「道路橋」の約8%が建設後50年以上経過しており、「排水機場、水門等」に至っては約23%と高い割合となっている。そしてこれは現在だけの問題でなく、今後も増加していくことが予想されている。
建設後50年以上経過したインフラの割合

建設後50年以上経過したインフラの割合

 ただ更新がうまく進んでいるかというと、そうとはいえない。

 理由としては、1つは予算の問題がある。国からの補助金などは、維持修繕や更新などよりも、新規に建設したほうが補助率が高い場合も多い。また、地方では既存のインフラだけでは不足しているため、新規のインフラ建設が必要であったり、政治的には維持修繕よりも、新しいものを建設したほうが目に見えるため、アピールしやすい。

 逆に、建設業者の側からすると、どうしても維持修繕のほうが業務は手間がかかり難しいが、単価としては新規よりも低く抑えられているという傾向がある、

 つまり、誰もが維持修繕が必要だと思っているが、制度として維持修繕へのシフトがなかなか行われていないという状況だろう。

 ただ思うに、これは制度的な話だけではないだろう。
 今後は、「作る」技術から「維持・修繕する」技術が求められるということである。

 つまりここで、新しい「維持・修繕する」技術を開発すれば、大きなビジネスチャンスがあるといえる。

 正直、技術的なことは分からないが、より効率的に修繕する技術などが考えられるだろう。また、予算制約がある以上、どこの自治体でも一気に直すことはできない。そうすると、比較的安価で場つなぎできるような技術・素材が必要かもしれない。例えば、根本的な修繕とはいえないが、少し工事をするだけで、5・10年は、インフラ寿命が伸びるといったものだ。道路でいえば、簡易な補修材であるレミファルトのようなイメージだ。

 ただこれは、民間企業や大学だけではできないことである。
 公共インフラなので、行政にその技術や素材を採用してもらわなければならない。そのため、行政の役割は非常に重要である。
 新規建設などの場合には、プロポーザルなどで行われる場合が多いが、維持修繕は単なる入札など価格面で判断される場合が多い。この点で、行政サイドも仕組みを見直す必要がある。

 ただ地方自治体として、単にインフラ更新の面だけを考えるのではなく、地域経済・新産業育成という観点で施策を実施してほしいと思っている。

 上記にように、今後は場規模は大きく拡大する。また、発注者として新しい技術や素材に対しても積極的に関与ができる。
 今まさしく、大きなチャンスを迎えている。縦割り行政が多い中、土木と産業関係の部署はあまり接点がないことが多いが、うまく連携し、このチャンスを活かし、新たな技術・素材を開発することで、その地域にとって大きな富をもたらすことになるだろう。

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