概要
小麦粉とは、小麦を挽いて粉状にしたものです。
小麦や小麦粉は、栽培時期・色・たんぱく質の量などによって、分類されます。
小麦の分類
栽培時期による分類
小麦は、その栽培時期で区分されます。
冬小麦(ウインター小麦)
秋に種を播いて、翌年の初夏に収穫するもの。
世界の多くの地域で栽培されています。
春小麦(スプリング小麦)
春に種を播いて、夏から初秋にかけて収穫するもの。
冬小麦に比べ、収量は低いが、たんぱく質の含有量が多く、品質が優れているものが多いです。
アメリカ・ヨーロッパなどに北半球で栽培されており、日本では北海道の一部で栽培されています。
色による分類
小麦は、外皮の色でも区別されます。
赤(レッド)
外皮の色が赤または赤褐色の色をもつ小麦。
日本の小麦はこの赤小麦であり、現在のうどんはASWなどオーストラリア産の白小麦が利用されており白色ですが、かつては灰色や黄色がかった色となっていました。
白(ホワイト)
外皮の色が黄白色の小麦です。
粉の色は白いのですが、穂の発芽性が高く、収穫期が梅雨の地域では適さないとされています。
その他
同じ品種の小麦であっても、栽培時の気候やたんぱく質含有量で色が変わり、流通段階で「ダーク」「イエロー」などと区別されます。
小麦粉の分類
たんぱく質の量による分類
一般的に小売店で販売されている小麦粉の分類で、たんぱく質の量で小麦粉は区別されます。
薄力粉
たんぱく質の量が少なく、水を加え捏ねたときにできるグルテンの量が少ない小麦粉で、粘弾性が弱く、柔らかい生地ができるため、ケーキ・天ぷらなどに適しているとされています。
強力粉
中力粉
たんぱく質・グルテンの量の薄力粉・強力粉の中間のものでうどんなどに適しています。
なお、この小麦粉は中間質の小麦を使用したもので、単に強力粉と薄力粉を混ぜたものは、中力粉とは言いません。
デュラムセモリナ
たんぱく質は多いのですが、粘り気が少ないデュラム小麦から作られた小麦粉で、パスタなどに利用されます。
粒の硬さによる分類
小麦は、その粒の硬さにより区分されます。
硬質小麦
粒が硬く、粉にすると粗い粉になる小麦。一般にガラス質でグルテン含量が多くなっています。
軟質小麦
粒が軟らかく、粉にすると細かな粉になる小麦。一般にガラス質でグルテン含量が多くなっています。
中間質小麦
硬質小麦と軟質小麦の中間のものです。
産地による分類
国産か輸入ものかで区別され、国産のものは「内麦」(ないばく)、輸入ものは「外麦」(がいばく)と言われます。
その他
上記のほかに、次のような表示の小麦粉があります。
プレミックス粉
小麦粉にその用途に応じて、糖質・油脂・食塩・香料などを配合したもの。
いわゆる、ホットケーキミックスや天ぷら粉、から揚げ粉などの総称。
全粒粉
通常の小麦は小麦の胚乳を粉にしたものですが、これは小麦の表皮、胚芽、胚乳をすべて粉にしたもの。
一般に、通常の小麦よりも栄養価が高いと言われています。
参考
成瀬宇平「47都道府県・こなもの食文化百科 (47都道府県シリーズ)」
日清製粉グループ「小麦の種類」
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