地域によって、格差や地域差が大きい産業・小さい産業はどこかを調べてみました。
内容
地域の産業を見てみると、地域によって、ある産業・ない産業というものがあります。
また、ある地域には非常に多いが、他の地域にはあまり産業というのもあります。
そこで、産業ごとに、どのくらい地域格差があるかを調べてみました。
下の表は、都道府県別の事業所数を元に、地域格差を示す指標である変動係数をとったものです。
産業別の地域格差
産業 | 値 |
---|---|
農林漁業 | 0.87 |
鉱業,採石業,砂利採取業 | 0.73 |
建設業 | 0.78 |
製造業 | 1.11 |
電気・ガス・熱供給・水道業 | 0.83 |
情報通信業 | 2.31 |
運輸業,郵便業 | 1.10 |
卸売業,小売業 | 0.91 |
金融業,保険業 | 0.96 |
不動産業,物品賃貸業 | 1.29 |
学術研究,専門・技術サービス業 | 1.43 |
宿泊業,飲食サービス業 | 1.05 |
生活関連サービス業,娯楽業 | 0.85 |
教育,学習支援業 | 0.97 |
医療,福祉 | 0.99 |
複合サービス事業 | 0.49 |
サービス業(他に分類されないもの) | 0.87 |
(出典)統計局「平成21年経済センサス」より作成
最も高いのが、「情報通信業」の2.91で、逆に最も低いのが「複合サービス業」の0.49となっています。「複合サービス業」とは、郵便局や協同組合などです。
これについて分析をすると、次のようなことが言えます。
- 「電気・ガス・熱供給・水道業」や「建設業」、「生活関連サービス業,娯楽業」など、地域に関連しているような産業は、都道府県では差が小さい。
- 逆に、「製造業」などのような移出型の産業は比較的差が大きい。
- 最も高い「情報通信業」は、その内訳を見ると、「映像・音声・文字情報制作業」、IT企業などの「情報サービス業」で地域間格差が生じている。
- 意外にも「不動産業,物品賃貸業」が比較的高い値になっている。更にこの内訳を見ても、「不動産取引業」など不動産屋で地域格差が大きくなっている。
- 農林漁業は、あまり地域間格差が少ない。生産量では地域間格差はあるが、事業所レベルでは地域間格差が少ないという結果となっている。
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