JRと地方経済の衰退

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 国鉄が民営化されJRとなり、30年以上。しかし、この民営化が地方経済の衰退に拍車をかけたのではないかと思ってしまいます。

国鉄民営化

 今さら言うまでもありませんが、かつて、JR各社は民間企業ではなく、「国鉄」という形で、かつて国により運営されていました。

 中曽根内閣による行革の中で、1987年に国鉄は民営化され、現在に至っています。

 国鉄民営化は、多くの場合、評価されていることが多いです。例えば、赤字であった国鉄が黒字になり、その結果、税金を投入するのではなく、税収を得ることができるようになりました。また、労組が強く、サービスなどが悪かったが、改善されたという意見もあります。

 私もそう思っていたし、現在でもその通りだという面もあると思います。
 しかし同時に、国鉄民営化は、地方経済の衰退に拍車をかけたのではないかと思っています。

JRと地方経済の衰退

 それでは、どこが地方経済の衰退に拍車をかけたのでしょうか。

①ローカル線の廃止
 1つは、ローカル線の廃止です。

 国鉄は大きな赤字を抱えていましたが、その要因の一つは、赤字のローカル線の建設・維持にありました。そこで、国鉄がJRになると、このローカル線の多くが廃止されました。言わば、リストラです。

 これにより、確かに赤字はなくなりましたが、鉄道のない町村が生まれるようになり、その町村は利便性を失うことになります。そうなると、住民生活にマイナスであると共に、他から来る人にとっては、行きにくいところとなります。これは、観光や企業立地という点でもマイナスとなります。

②在来線の第三セクター化
 2つは、①と関連しますが、新幹線などが開業すると、在来線が廃止されることがあります。

 しかし、地域住民にとっては、重要な足であるので、地方自治体としては、その鉄道を維持しなければなりません。そうなると、新幹線開業により、在来線を維持するため、地方自治体などが第三セクターとして、運営することになります。東北新幹線のIGRいわて銀河鉄道は、東北新幹線の盛岡-八戸間開業により、生まれた第三セクターの鉄道会社であり、最近でも北陸新幹線の開業で、在来線は第三セクター化されています。


北陸新幹線の金沢駅までの延伸後の状況

信越本線 高崎駅-横川駅、篠ノ井駅-長野駅 JR東日本(継続)
横川駅-軽井沢駅 (廃止)
軽井沢駅-篠ノ井駅、長野駅-妙高高原駅 しなの鉄道
妙高高原駅-直江津駅 えちごトキめき鉄道
北陸本線 直江津駅-市振駅 えちごトキめき鉄道
市振駅-倶利伽羅駅 あいの風とやま鉄道
倶利伽羅駅-金沢駅 IRいしかわ鉄道線


 利益を追求する民間企業としては、当然ともいえますが、ある種、赤字を地方自治体へ押しつけているとも言えます。

③駅ビルの商業施設化
 ある程度、人口のある駅の多くは、駅ビルが建ち、立派な商業施設となっています。
 当然ながら、集客力もあるわけで、反面、元々ある地域の商店街の衰退の一因となっていることは、間違いないと思います。

 駅ビルなどの商業施設は元気がありますが、古くからある繁華街・商店街が衰退しているという都市が増えているように感じています。
 例えば、駅ビルのみの影響とは言えないので、因果関係は分からない部分があるとはいえ、先日、群馬県の高崎市や新潟県の越後湯沢に行ったが、非常にそのコントラストが気になりました。駅ビルの商業施設には人はいるのだが、元々ある商店街などには人がいないのです。


高崎市の商店街

高崎の商店街だが、誰もおらずシャッターが多い

まとめ

 2027年にリニア新幹線の開業が予定されています。

 リニアといえば、日本の素晴らしい技術の結晶であり、誇らしい部分が大きいです。ただ同時に、JR東海のみで建設・運営が可能なほどの利益の源泉は、そもそもはローカル線などのリストラの結果でもあります。

 よくよく考えれば、JRの各社は基本的には大都市に本社機能を構え、収益を上げています。

 また、地方の企業が、東京のJR駅中などで、ブースを設け、商品の販売を行っている光景が見られます。駅・場所によるが、1日当たり数万円から数十万円の場所代(テナント代)をとられています。

 このように、地方から大都市への所得の移転が行われています。国鉄時代にはあくまでも国が運営していたので、所得の再配分機能もありましたが、現在はそのような要素は少なくっています。

 国鉄の民営化は正しかったと思います。そして、JRの行っていることを批判するつもりはありません。合理的であるからです。

 しかし同時に、それは地方経済の衰退の一因となっており、現在でも続いている現象だと感じています。

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