認証制度が重要となっている
年々、国際的な機関や標準化団体による認証制度の重要性が高まっているように思う。
例えば近年、外国人観光客の誘客のため、ハラル認証が話題となっている。
外国人を呼び込んだり、海外への輸出を推進しようと考えた場合、このような認証制度はより重要になっていくだろう。
また、中小企業が大手企業などと取引する際には、認証制度の有無が重要にもなっている。最近も食品への異物混入事件などがあったが、食品などはより一層の品質管理が求められるようになっており、その一つの基準として、HACCPが目安にもなる。
ただ、このような認証を受けること自体、中小企業にとっては、大きな負担である。人員体制を整備したり、何よりも大きな費用がかかる。
このことから、いきなり本当の認証制度を取得するのではなく、その一段階手前の仕組みを用意することが考えられる。
そして、地方自治体などは、本当の認証制度よりも、より安価であったり簡便な仕組みを用意したらいいと思う。
すでにある自治体の認証制度
このような仕組みは、いくつもの自治体で、すでに行われている。
例えば、食品製造に係る認証制度としては、HACCPが有名であるが、いくつもの自治体で、地方自治体独自のHACCPを定めている。
食品産業センター「自治体HACCP等認証制度」
また、農業などでは、生産管理に関する認証制度として、GAPというものがあるが、自治体独自のGAPを定めていることもある(下は鹿児島の例)。
鹿児島県「かごしまの農林水産物認証制度(K-GAP)の紹介」
まとめ
多くの自治体では、商品などに対して「ブランド認証」というものを行っている。これは、主として地域の産品などをPRするために設けられているものである。
しかし、上記の認証制度は、経営・生産管理などに関する認証制度であり、認証制度にあるような工程などを導入することで、不良品などのリスクを軽減しようという試みである。
この点で、同じ「認証」ではあるが、その発想は大きく異なり、中小企業などの生産等に関するレベルアップ策としては、重要である。
現在でも、このような仕組みを設けていない自治体も多い。また、他の認証制度に対しても、より簡便な仕組みを導入していいだろう。現在ない制度であっても、経営・生産管理などを向上させるために、新たな認証制度を作ってもいい。
企業にとっては、このような認証制度は、手間がかかるが、売上にはつながりにくいことから、逡巡することも多い。
ただ、地域の中小企業などのレベルアップのためにも、ある種、基盤として自治体が用意しておくべきことであると思う。
大げさなものではなく、中小企業が気軽に取り組める、ちょっとした自治体独自の認証制度を設けていってほしいと思う。
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