千葉県の柏市では、14日に「オヤジ・イノベーション」というイベントを実施するそうだ。
このようなイベントもやや気になるが、それ以上に気になるのが、そのイベントで配布されるという「柏おやじ図鑑 2013年採集 見本版」という冊子である。
かつて「美少女図鑑」というものが流行ったが、これは男性の地域活動への参加を啓発するためのもので、ボランティアや趣味など、仕事以外に生きがいを持つ「おやじ」にスポットを当てたものだという。
私もオヤジの一人だが、はっきり言って、このような冊子を見たいとは思わない。理由は単純で、美しい女性などならいざしらず、中年太りや禿げたおっさんの姿を見たいとは思わないからだ。また、仕事以外に生きがいをもつかっこいい姿を掲載しているそうだが、所詮は「おっさん」だと思ってしまう。
ただ気になるは、「おやじ」「おっさん」という言葉のイメージである。
かつて「おやじ」といえば、象徴的に権威を表すといったイメージが強かった。例えば、田中角栄は派閥の子分からは、「おやじ」と呼ばれ、親しまれていたという。そこには親しみと同時に、強い権威を表すという表現であった。
しかし現在は、「おやじ」という表現には、ある種のコミカルさや悲哀さなどを感じさせるものになっている。かつて(今も?)「パパイヤ鈴木とおやじダンサーズ」というグループがあったが、このときの「おやじ」はまさしく、このようなコミカルさ・悲哀さなどを表すものであった。
そして今回の柏市の「おやじ図鑑」である。
上記のようにおやじには興味はないが、どうしても、このようなコミカルな「おやじ」が載っているのではないかと思い、気になってしまう。悪戦苦闘しながら、のたうちまわっているダメおやじの姿。とはいえ、必死になり頑張っているおやじの姿。このような姿を期待してしまう。
まだ未発表でどのような内容か分からないが、この「おやじ図鑑」については、ある種のコミカルさが重要なポイントだろう。
男性の地域活動への参加を啓発するという目的ということで、このようなおやじはあまり期待できない。しかし、以前「観光マップの代わりに、おもろいオッサンマップなんてのも、いいかもしれない。」で観光マップについて書いたが、地域活性化などを目的として、コミカルなおやじの姿を描いた「おやじ図鑑」というものがあってもいいと思う。
「おやじ」「おっさん」という存在は、面白いのだと思う。
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