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豪華寝台列車「ななつ星」に見る道州制

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 JR九州の豪華寝台列車「ななつ星」が人気となっている。
 内装や料理などの豪華さでも話題だが、1人55万円と非常に高価にもかかわらず、予約待ちは2千人もいるという。
 しかし、熊本県内でななつ星が唯一停車する阿蘇駅では、歓迎ムードとともに、その経済効果は限定的だという意見があるようだ。

外部リンク2013/10/16 熊本日日新聞「経済効果、星いくつ? 「ななつ星」停車わずか」


 阿蘇駅での停車時間は3~4時間。乗客が駅を出る時間は限られるため、あまり地域にお金が落ちることはないだろうという見方だ。
 また、地方では観光地が点在化しているため、移動時間も長く、一層、行動範囲は限られるだろう。

 話は全く異なるが、ここで思うのは、道州制の効果ということだ。
 道州制になった場合、九州地方は九州州などの形で一つになるだろう。この行政区域は、JR九州の営業範囲と一致する。

 今回の例に戻ると、確実に、JR九州は儲かるだろう。しかし、停車駅である阿蘇でさえ、効果があまりないだろうと言われる中、他の地域はほとんど無関係になると言わざるを得ない。
 つまり、今回の例から分かるのは、九州全体としては儲かるが、その個々の地域ではあまり関係ないということだ。

 そして、これが道州制の本質でもあると思う。
 道州制ではより大きな範囲を行政区域とし、その行政区域の産業・観光振興などが図られる。しかし、より小さな地域で見てみると、その効果は乏しいということだ。

 ただ決して、全く効果がないというわけではない。JR九州は儲かるだろうし、出発・終着駅である博多や旅館泊が予定されている隼人駅などの地域では、経済効果が見込まれるだろう。
 しかし、そもそも観光は地域全体への経済効果の広がりが大きいはずなのだが、九州を回る列車にもかかわらず、点的であまりにも広がりが小さすぎる。

 つまり、私が言いたいことは、道州制を導入しても、その効果は、道州全体に広がるわけではないということだ。
 むしろ、一部の地域が豊かになったり、地域格差は全く是正されないという要素をはらんでいるのである。

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