まちゼミというものがあるようだ。
地域の商店街店主などが講師となって、その専門知識を地域の人に講義するという少人数のゼミである。
そもそもこのような取り組みは、各地に広がるには時間がかかる。
例えば昨年、街コンが大きな話題になったが、初めて街コンが行われたのは2004年の宇都宮での宮コンと言われている。
ただ、面白い取り組みであるにもかかわらず、広がりが遅いのには理由があるのだろう。
正直言うとこれにより、商店街が大きく活性化したり、売上が大きく上がるとは思えない。
ゼミに来る人と商店街での利用者は一致していることが想定できるため、新規の顧客という点ではあまり期待できない。顧客一人当たりの購買頻度や単価を上げようと思っても、少人数なので大きな拡大はできない。また、ゼミとして大規模化しようと思っても、ゼミの集客という観点から、少人数型になっているのだろう。
この点から、平成14年に岡崎商工会議所がスタートしたにもかかわらず、全国的には急速には広がっていない。ただ、取組み自体は面白いので、徐々に広がりを見せているということなのだろう。
ここで思うのは、まちゼミのような取り組みは、現在・今後、広がりを見せるだろうし、地域にとっては重要なものになっていくのではと思っている。
身の回りを考えると、地域では思いのほか、人々が集まれるようなところがない。
地域サークルや活動なども行われているが、対外的には開かれているといっても、外部の人からするとクローズドな集まりで、参加するには心理的な負担が大きい。
また、町内会など、地域での公的な集まりもあるが、あくまでも公的な活動で、そこから新たに生まれるものは少ない。
特に昨年、2012年問題と言われたように、団塊の世代が完全引退する時期となっている。このような高齢者が新たに集まれる場は非常に少ない。また、高齢者になると、必然と活動地域は小さくなっていく。
このように考えると、まちゼミのような取り組みは、今後、非常に重要になっていくのではと思う。
商店街の活性化とか、売上向上といったことではなく、地域の新たなコミュニティを創出するためにこの重要性は増すと共に、まちゼミを行う地域も増えていくのではないかと思っている。
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