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攻めの政策・守りの政策

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 政策・施策といった場合、何となく同じように思えるが、私は攻めの政策・守りの政策というものに区分されると思っている。

 攻めの政策とは、行政機関として必ずしも行う必要性はないが、地域のためにできれば行ったほういいもので、むしろ地域に新たな価値をもたらすような政策である。
 守りの政策とは、行政機関として最低限行う必要性があり、どこの自治体でも行われているようなものである。
 そして、攻めの政策と守りの政策では、次のような点で異なっている。

 1つは、法律などに規制されているかどうかで異なる。攻めの政策は、行政機関として必ずしも行う必要がないため、法律などの規制が少ないことが多い。逆に守りの政策は、行政機関として最低限行わなければならないもので、ナショナルミニマム的な要素が強く、法律などに規制されていることが多い。

 2つは、法律の規制と関連するが、攻めの政策は、法律などに規制されておらず、自治体が自由に行うため、企画が非常に重要となる。いかに、新しいことを行ったり、地域に価値をもたらすような事業を行う必要性がある。逆に、守りの政策は企画ではなく、むしろ適正な運用が求められることが多い。新しいことを行って失敗するよりも、当たり前にミスをせずに法律や従来の方法を遵守し、運用が行われる傾向が強い。。

 3つは、政策の打ち出しやPRにおいて、違いが生じる。攻めの政策は、新しいことが行われ、他の自治体との差別化を図るポイントであるため、目玉となるような政策・事業が行われることが多い。逆に、守りの政策は、やっていることがPRされる要素が強い。最低限やるべきことをしっかりとやっているということが重視されるのだ。

 4つは、上記のような結果、攻めの政策は、商工・企画・観光などの部署で行われることが多い。逆に守りの政策は、社会保障などの部署で行われることが多くなっている。また、農業のように、農業や生産者保護の観点では守りの政策を行い、販売面では攻めの政策を行っているような部署もある。

 5つは、攻めの政策は企画力が重要なので、全国的に政策が参考とされる場合も多い。全国の先進事例などを参考に、新たな施策を検討したり、事業が行われる傾向がある。また、地域に新たな価値をもたらすためには、全国的な施策競争に曝されている部分も多いことが影響しているのだろう。逆に、守りの政策は、近隣自治体の政策が参考とされる場合が多い。ある程度、最低限行うべき政策を行うため、近隣自治体の状況・結果などが比較とされやすく、その結果、近隣自治体の政策が一つの基準となるからである。このため、守りの政策において、地域性が生じることも多い。

 以上をまとめると、次のような表になるだろう。

攻めの政策 守りの政策
法律等の根拠 ないことが多い 多くの場合ある
重視される能力 企画力が求められる 適正な運用が求められる
PR・打ち出し 目玉となることが多い やっていることが重要となる
担当部署 企画・商工・観光など 社会保障など
参考政策 全国的に参考とする 近隣自治体を参考とする

 政策の区分としては、いろいろなものがあるが、行政のスタンスや担当者の思考などを考えたとき、この視点は重要である。
 むしろ、この視点で政策や施策を見たとき、見えてくるものもあると思っている。


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