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都道府県で違う、ラーメンの味わい方

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(前ページからの続きです)


主成分分析

 主成分分析とは、簡単に説明すると、いくつかのデータがあるとき、それらの情報を合成し、いくつかの特徴(主成分)を見出す統計手法である。
 例えば、身長と体重のデータがあれば、体が大きいか小さいかといった主成分を得ることができる。

 上記の中華めん・カップめん・中華そば(外食)のデータを用いて、この主成分分析を行ってみた。
 参考程度に掲載すると、統計的な結果は、下の通りである。

第1主成分 第2主成分 第3主成分
中華めん 0.62 -0.42 -0.66
カップめん 0.41 0.89 -0.18
中華そば(外食) 0.67 -0.15 0.73
固有値 1.57 0.90 0.52
寄与率 0.52 0.30 0.17
累積寄与率 0.52 0.83 1.00


 見方としては細かくなるので省略するが、3つの要素(主成分)について、それぞれの解釈すると、次のように言えるだろう。

  ①ラーメン好きかどうか? (第1主成分)
  ②自ら手作りでラーメンを作るかどうか? (第2主成分)
  ③インスタント派かどうか? (第3主成分)

 そしてこれにより、各都道府県について、見たのが下表である。
 なお、本来は数値であるが、簡便性・明瞭性のため、0.5以上を「○」、-0.5以下を「×」と表記している。

ラーメン好き? 手作り派? インスタント派?
北海道
×
青森県
岩手県
宮城県
×
秋田県
山形県
×
×
福島県
×
茨城県
×
×
栃木県
群馬県
埼玉県
千葉県
×
×
東京都
×
神奈川県
新潟県
×
富山県
×
石川県
福井県
×
山梨県
長野県
×
岐阜県
×
静岡県
×
×
愛知県
×
三重県
ラーメン好き? 手作り派? インスタント派?
滋賀県
×
京都府
×
×
大阪府
×
兵庫県
×
奈良県
×
和歌山県
×
鳥取県
×
島根県
×
岡山県
広島県
×
山口県
×
×
徳島県
×
香川県
×
愛媛県
×
高知県
×
×
福岡県
×
×
佐賀県
×
×
長崎県
×
熊本県
×
×
×
大分県
×
宮崎県
×
×
鹿児島県
沖縄県
×


都道府県別のラーメンの味わい方

 上記の表を元に分析すると、特徴的な点として、次のようなことがいえるだろう。

  1. 東北地方はいずれもラーメンが好きな県ばかりである。ただ、その味わい方は異なり、青森県秋田県岩手県などでは自分でラーメンを作ることが多いのに対し、宮城県山形県では外食でラーメンを味わっている。
  2. 関東地方では、茨城県を除けば、東北地方と近い北関東がラーメン好きである。ただ特に意外なのは、神奈川県で、中華街・家系ラーメン・サンマーメンなどで有名だが、手作り派・インスタント派という特徴が見られた。
  3. 中部地方では、いわゆ甲信越地方でラーメン好きとなっている。
  4. 近畿地方は、総じてあまりラーメンを食べない(ラーメンにはお金をかけない)という結果となった。また、大阪県・兵庫県を除けば、自分でラーメンを作ることが多いという傾向も見られた。
  5. 中国・四国地方では、それぞれで特徴を有しており、地域性は言い難いが、四国ではあまりラーメンを食べないとなっている。
  6. 九州地方は、博多ラーメンを始め、様々なご当地ラーメンがあるが、意外にもあまりラーメンを食べない(ラーメンにはお金をかけない)という結果となっている。ただ反面、手作りというよりは、外食などでラーメンを食べる県民も多い。このことから、逆に博多ラーメンや熊本ラーメンなどが広まったのかもしれない。

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