ロケ地として人気の滋賀県
映画やドラマのロケ地として、滋賀県の人気が上がっているという。
ロケ実施数は2002年度の40本から、昨年度は89本に倍増し、1年のうち277日間は滋賀県内で撮影があったそうだ。
2014年10月28日 毎日新聞「滋賀県:ロケ地で人気 「ひなびている」年277日も」
滋賀県といえば、琵琶湖などの自然もあるが、寺院数は全国一位であり、古いものも多く残っている。
地方でロケをする以上、東京などにはないものが必要であり、これらの要素は非常に重要だ。
そして何より面白いのは、ひなびているからこそ、人気があるという。
つまり、自然や寺院・史跡などといえば、京都が思い浮かぶが、京都では観光客が多く、撮影が行いにくい。しかし滋賀は観光客が少ないことも、ロケ地として人気が高まっている理由だそうだ。
人が少ないからこそできること
思えば、この滋賀県の例のように、人が少ないからこそ、強みとなったり、できることがある。
例えば、最近人気の観光列車やイベント列車などはそういったものだろう。
鉄道会社にしてみれば、客を呼び込むために行うのだろうが、逆に言えば、乗客が多ければ、このようなことはできない。一部の大手私鉄でも行われているが、基本的には首都圏のJRや私鉄がこのようなことをやろうとすれば、通常の交通・運行に支障をきたす。
つまり、観光列車やイベント列車は乗客が少ないからこそ、できるといえるのだ。
かつて、阪急グループの創業者・小林一三は、阪急電車のPRにあたり、「綺麗で早うて、ガラアキで眺めの素敵によい涼しい電車」といったそうだが、人が少ないことを強みにすることは、他でもできるのではないかと思う。
例えば、法律的な細かな規制等は抜きにして、自治体の施策として思いつくことは、人の少ない海水浴場などは思い切ってプライベートビーチにして貸し出してもいいだろう。森高千里の古い歌ではないが、「誰もいない海」を求める人はいるだろう。
人がいない山や河川などについて、サバイバルゲームの場として提供したり、同じサバイバル括りで、サバイバルキャンプの場としてもいいだろう。
また、上記の小林一三の話ではないが、人が少ないことを逆手に取り、PRすることもできるだろう。
例えば、観光客が少ない温泉地で考えると、「隠れた」「落ち着いた」「知る人ぞ知る」「通好み」などという形で、PR・ブランディング化ができる。特に、近くに有名な温泉地がある場合、大きく差別化ができ、その温泉地から一部の観光客が流れてくることも期待できる。
このように考えると、確かに人が少ないことは困ったことだが、同時に必ずしも悪いことではない。
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