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犬税から考える税と寄付

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犬税導入は困難

 犬税の導入を検討している泉佐野で、検討委員会が開かれ、導入は困難という意見が大勢を占めたそうだ。

2014年05月23日 産経ニュース「犬税の導入「困難」 経費が税収上回る可能性 大阪・泉佐野

 理由は単純で、犬税導入による税収アップよりも、その徴収経費のほうが大きくなるからだ。
 これでは、新たな税を導入する意味はないので、仕方がないことだろう。


目的を改めて考える

 ただここで思うのは、税というものを厳格に考えすぎではないかということだ。

 税金だから、しっかりと徴収しなければならないと考えてしまい、しっかりとしたシステムを導入したり、人件費などが発生したりして、徴収経費が高くなってしまうのだろう。
 逆に言えば、しっかりとした徴収体制を整えなければ、この税金を導入する意味が出てくる。極端なことをいえば、新たな税を導入しても、新たな徴収体制などを全くとらなければいいのである。

 このようなことを行うと、払う人がいないだろうとか、まじめな人だけが税を負担することになる(税負担が不公平となる)などの批判も出てくるだろう。

 ただこの税の導入の目的は、歳入のアップである。そして歳入をアップするには税だけではない。
 歳入を増やすという目的を考えたときに、同じようなものとして寄付がある。言うまでもなく寄付は税とは異なり、強制性はなく、寄付者の善意に頼る仕組みだ。
 ならば、犬税という形ではなく、寄付という形で歳入アップを図ってもいいだろう。


税と寄付の狭間

 しかし寄付ではお金が集まらないという問題・危惧が生じる。

 そうなると、税と寄付の狭間の仕組みを導入してはどうかと思う。
 すなわち、強制力はないが、義務を課すという形である。そしてパターンとしては、次の3つがあるだろう。

 1つは、罰則などはないが、条例などで飼い主責任を規定し、寄付を募るという方法だ。

 2つは、とりあえず税という形をとるが、罰則をなくしたり、運用で滞納整理をやらないという形で、実質的には飼い主の善意に頼るという方法である。

 3つは、飼い主に届け出義務を課し、届け出の際に、一定の手数料を徴収するという形も考えられる。さらに、届け出に罰則をかけるか否かで、強制力に差異を設けることができるだろう。

 どれも義務は課すが、基本的には寄付と同様に、善意に頼っている仕組みであり、税ほどの強制力はない仕組みでもある。

 いずれにせよ、7月に長が答申を出すそうだが、財政難の泉佐野市。いろいろと知恵を絞り、柔軟に対応してほしいと思う。

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