日本政策金融公庫の千葉支店で、NPOへの融資が増えているという。
NPO法が制定されて10年以上。NPOというもの自体、一般的になり、社会起業という言葉も生まれた。このような中、今回のような結果になったのかもしれない。
しかし、NPOへの融資に関しては、なかなか難しいというのが、現状だろう。
理由としては単純で、多くのNPOは財政的に厳しく、助成金や寄付金頼みというところがほとんどだからだ。また、NPOが行うような事業は多くの資金を必要とせず、あまり融資ニーズがないということもあるのかもしれない。その結果、NPOに対して融資を行っているような金融機関も多くはない。
ただ思うに、かなりNPOというものが一般的になってきたことを考えると、NPOへの融資について、地域の金融機関などは改めて考える必要があるのでないだろうか。
例えば、最終的には金融庁の規制の問題であるが、通常の企業とは違った融資の基準を設けるべきだろう。現状、NPOへ融資を行っている金融機関が少なく、どのような基準で融資が行われているか知らないが、通常考えるならば、収益事業で融資を判断していると思われる。ただ、NPOで考えると、寄付金なども多いことから、そのようなことも考慮することも必要だろう。金融機関としては最終的には貸したお金が返ってくればいいのだから、恒常的に寄付金などを受けていれば、償還原資と十分に認めていいとも思う。
逆にNPOの会計制度は一般の企業の会計制度とは大きく異なっており、融資ということを考えると、改めて考え直す必要があるだろう。例えば、NPOではボランティアにより労務提供を受けた場合、収益にカウントできたりもする。このように通常の企業とは収益概念が大きく異なるのでは、金融機関としても融資が行いにくいだろう。
NPOが増えていることを考えると、NPOへの融資についても、もっと増えていいと思う。ただそれには、もう一つ制度的な工夫が必要なのかもしれない。
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