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金融庁の監督方針変更、企業はお金を借りやすくなるのか?

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 金融庁が銀行の検査方針の見直しを行うようだ。


 かねてより書こうと思っていたが、2000年代の不況の原因の一つは、金融庁にあったと思っている。

 よくデフレ経済の回復にあたって、通貨供給量を増加させる必要があると言われている。そして、この措置が行われたのが、アベノミクスの第1の矢である金融緩和である。
 ただ金融緩和に反する人の論調では、通貨供給量を増やしても、銀行が貸出を増やさなければ、意味がないという話もある。これはこれで正しいのだが、問題は銀行だけではない。銀行の貸出に対して、金融庁が監督を行ってきたからだ。

 不良債権の問題などで、金融庁は監督を強め、金融機関の貸し出しに対して、規制・監督を行ってきた。

 例えば、債務者区分という考え方がある。


 これは、貸出先の企業について、財務状態に問題がないか、しっかりと返済を行っているか、破綻していないかなどを見て、貸出先企業をランクづけている。
 そしてそれに基づき、金融機関は貸出金に対して引当金を積む必要がある。 金融機関としては、引当金は費用なので、ランクが低い会社へはあまりお金を貸せなくなる。
 この債務者区分は、金融庁の監督指針などで決められており、画一的に金融機関を監督してきたのである。

 少し分かりにくいので、具体的に言えば、3カ月返済が滞れば、要管理先として、不良債権として扱われる。金融機関の引当率も正常債権の0.1~0.5%から2~10%に引き上がってしまう。
 しかし考えてほしいのは、3カ月の延滞で、画一的に要管理先とする必要はないということだ。ある金融機関は4カ月でもいいだろうし、3カ月であっても条件をつけて、要管理先としないことも考えられる。

 このように金融庁は、実質的に規制・監督を行い、金融機関の自由度を引き下げ、金融機関の貸出マインドを低下させてきたのではないかと考えている。

 勿論、中小企業向けの監督指針などもあるが、もっと自由度があってもいいと思う。また、同じ中小企業であっても、都銀行と地銀や信金で、同じ基準というのもおかしな話である。特に、銀行と信金では、同じ金融機関だが、業態そのものが異なってもいる。

参考金融機関の種類


 今回、上記のように画一的な検査を見直すそうだが、どうなるか注目に値する。
 金融庁の問題は、債務者区分などだけではないが、いずれにせよ、世の中に資金が回るような仕組みが必要である。

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