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組合、商店街、NPO…、民主的な組織は動かない。

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概要

 地域には、地域の人が集まって構成された様々な団体がある。
 例えば、工業組合・旅館組合・商店街組合などの組合や非営利のNPO、その他には任意の団体などがある。任意の団体といえば分かりにくいが、商店街でも組合の形式をとらず、任意の団体として運営しているところも多い。また、異業種の人々の集まりであったり、特別なプロジェクトのために集まって「○○会」などと称している場合もあり、様々だ。


特徴

 そしてこれらの組織の特徴は、次の通りだ。

  • (無料の場合もあるが)組織に入るには、入会金・会費などが発生する。
  • 代表・役員などといっても、大きな権限を有することはない。
  • 代表・役員などといっても、大きな報酬を得ているわけではない。むしろ、小さな団体では、無報酬で活動を行っている場合が多い。
  • 組織というよりは、属人的な人間関係で団体は運営されている。  など

 このような点から、会社などとは異なり、これらの組織は非常に民主的である。基本的には平等で、身近な仲間などが集まって何かをやるときに採りやすい仕組みだ。


マイナス面

 しかし、これらの組織には大きな問題がある。

 平等であるがゆえ、団体としての意思決定がやりにくい点である。代表・役員といっても、上記のとおり、あくまでもまとめ役に過ぎないため、意思決定の際には、会員の同意が必要になる。特に、間接的な利益はあるにせよ、会社と異なり、会員はお金をもらっているのでなく、むしろ会費等を払って組織に属している。そのため、会員の意見や同意は重要となる。
 よく地域おこしには、リーダーシップが重要と言われる。これは、その地域おこし団体がどのような法人形態をとるにせよ、このような平等性に由来している。地域おこしのメンバー間の関係は、あくまでも平等であるため、権限ではなく、説得などを通じて、新しいことを行っていく必要がある。

 また、属人的な要素が強いため、代表・役員などが固定化しやすいという面がある。代表・役員などをやっても、面倒なだけという場合も多い。そのため、同じ人がずっと代表・役員などを行っていることが多く、新陳代謝が起こりにくいというマイナス面がある。更に、組織が大きくなると、一層、問題が生じ、新陳代謝が起こりにくいというマイナス面は維持されながら、代表・理事などについても、ある種の利益や権限が生じてくるという面もある。

 以上から、これらの団体は、新陳代謝が起こらなかったり、新しいことにチャレンジしにくいということが起き、組織としては、なかなか動かないということになる。


まとめると

 このような民主的な組織は、設立当初は運営しやすく、やりやすい面も多い。
 しかし、これが長い時間が経過したり、組織が大きくなると、負の側面が出てくる。

 個人や1企業ではできないことがあると、このような団体をつくり、共同して行うことは重要だ。しかし、(NPOなどは比較的新しい制度だが)組合や商店街など、長年にわたって運営されてきた団体は、むしろ地域にとってマイナスになっているような気がしている。

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