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空港を使っている人が減っているけど、どうなる空港?

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 新石垣空港が開港されるそうだ。
 地元としては、観光・貨物などに関する重要なインフラとして、大きな期待を寄せているだろう。また、そもそも離島であるため、本土など他の地域との行き来には必要なインフラだ。

外部リンク朝日新聞デジタル2013/3/03「新石垣空港で開港式典 第1便は7日朝に離陸 沖縄」
 しかしその反面、航空旅客数は近年大きく減少している。右図は、国内・国際定期便の過去30年の旅客数の推移である。
 戦後から航空旅客数は右肩上がりに増加し、バブル崩壊後も増加を続けてきた。しかし2000年代に入り、その増加は鈍化し、国内定期便は2006年の96,685千人で、国際定期便は2000年の19,249千人でピークを迎え、減少傾向に転じている。特に東日本大震災があった2011年には、ピークから比べると、国内定期便は77,589千人で約2,000万人の減少、国際定期便は12,158千人で約700万人の減少と、大きな落ち込みを見せている。場として航空を捉えた場合、非常に厳しい状態である。
航空旅客数

過去30年の航空旅客数

 また、貨物について、過去10年の推移を見たのが次の左図である(重量ベース)。
 国際定期便については、リーマンショックや東日本大震災などの影響で大きな落ち込みを見せている部分があるが、国内定期便に見られるように、減少傾向にあるとはいえ、比較的安定して推移している。ただ、問題なのが、幹線とローカル線で見た場合である。右図は、国内定期便の幹線とローカル線の割合の推移を表したものである。ここで、幹線とは札幌、東京、成田、大阪、関西、福岡、那覇の空港を相互に結ぶ路線をいい、ローカル線は幹線以外のものである。図の通り、平成20年までは6対4の割合だったが、それ以降、幹線の割合が高くなっていることが分かる。勿論、首都圏などと貨物のやり取りができればいいという考え方もできるが、それ以外の地域との貨物は減少しているということであり、首都圏などの空港のグラビリティ(重要性)は高まっていることを示す。


航空貨物量

過去10年の航空貨物量
航空貨物量内訳

過去10年の航空貨物量内訳


 このような状況において、地方の空港は、新たな戦略が必要だろう。
 空港は、人や物を他の地域とつなぐ重要なインフラである。そして、地域の産業戦略・経済施策と大きく結びついている。しかし、地方では、空港は国の認可が必要など国の施策と大きく絡んでおり、また国のレベルで、産業は経済産業省、空港は国土交通省などと省庁が縦割りで、インフラと産業施策を結びつけて考えることが少なかったような気がする。
 改めて、空港というインフラについて、地方は考え直す必要があると思う。


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