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港湾

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港湾の種類

 港湾の種類は、港湾法や港湾法施行令にて規定されています。
 かつては、特定重要港湾・重要港湾・地方港湾・避難港などの区分がなされていましたが、平成23年の法改正により、下記のような現在の区分になっています。なお、国際戦略港湾・国際拠点港湾・重要港湾・避難港については、国により指定(政令に規定)されたものです。

国際戦略港湾 長距離の国際海上コンテナ運送に係る国際海上貨物輸送網の拠点となり、かつ、当該国際海上貨物輸送網と国内海上貨物輸送網とを結節する機能が高い港湾であつて、その国際競争力の強化を重点的に図ることが必要な港湾(法2条2項)
国際拠点港湾 国際海上貨物輸送網の拠点となる港湾(法2条2項)
重要港湾 海上輸送網の拠点となる港湾その他の国の利害に重大な関係を有する港湾(法2条2項)
地方港湾 国際戦略港湾、国際拠点港湾及び重要港湾以外の港湾(法2条2項)
避難港 暴風雨に際し小型船舶が避難のためてい泊することを主たる目的とし、通常貨物の積卸又は旅客の乗降の用に供せられない港湾(法2条9項)
(※)この他、「特定貨物輸入拠点港湾」というものがある(下記参照)

ポイント

 このように法律に基づいて区分けをすると分かりにくいのが、簡単に言うと、港湾工事に対する港湾管理者(地方自治体)への補助や、国が自ら港湾工事を行う場合の港湾管理者の負担金の割合が異なるという点です。当然、国際戦略港湾や国際拠点港湾などは、国の財政支援が手厚く、港湾管理者の負担が少なくなります。

 また、国際戦略港湾や国際拠点港湾については、港湾運営会社の設立が認められています。これは従来、港湾の運営を地方自治体が行なってきましたが、運営に関して民間参入を認めるというものです。いわゆる「公設民営」と呼ばれるもので、平成23年の港湾法改正時に導入されました。そして、これを推し進めるため、港湾運営会社に対する無利子貸付制度や減税措置などが行われています。

国の負担・補助

港湾施設の工事・改良に関する国の負担(法42条)
国際戦略港湾 国際拠点港湾 重要港湾 地方港湾 避難港湾
水域施設
1/2(※)
1/2
外郭施設
1/2(※)
1/2
係留施設
1/2(※)
(※)重要な工事


港湾施設の工事・改良に関する補助(法42条)
国際戦略港湾 国際拠点港湾 重要港湾 地方港湾 避難港湾
水域施設
4/10以内(※)
4/10以内
外郭施設
4/10以内(※)
4/10以内
係留施設
4/10以内(※)
4/10以内
臨港交通施設
5/10以内
4/10以内
港湾公害防止施設、港湾環境整備施設
5/10以内
廃棄物埋立護岸、海洋性廃棄物処理施設
1/3以内
(※)小規模なもの


国直轄工事についての港湾施設の工事・改良に関する国の負担(法52条)
国際戦略港湾 国際拠点港湾 重要港湾 地方港湾 避難港湾
係留施設
1/2~7/10
1/2~2/3
1/2~5.5/10
水域施設
1/2~2/3
1/2~2/3
1/2~5.5/10
外郭施設
1/2~2/3
1/2~2/3
1/2~5.5/10
臨港交通施設
1/2~2/3
1/2~2/3
1/2~5.5/10
港湾公害防止施設、港湾環境整備施設
1/2
廃棄物埋立護岸、海洋性廃棄物処理施設
1/3
(※)対象となる施設に関し、細かな規定があり、範囲で負担率を表している


特定貨物輸入拠点港湾

 平成25年に港湾法が改正され、「特定貨物輸入拠点港湾」という制度が設けられました。
 特定貨物輸入拠点港湾とは、次のようなもので、国土交通大臣が指定したものです。

国際戦略港湾、国際拠点港湾又は重要港湾であつて、主として輸入されるばら積みの貨物の海上運送の用に供され、又は供されることとなる国土交通省令で定める規模その他の要件に該当する埠頭を有するもののうち、輸入ばら積み貨物の取扱量その他の国土交通省令で定める事情を勘案し、当該特定貨物取扱埠頭を中核として輸入ばら積み貨物の海上運送の共同化の促進に資する当該国際戦略港湾、国際拠点港湾又は重要港湾の効果的な利用の推進を図ることが我が国産業の国際競争力の強化のために特に重要なもの(法2条の2)


 この特定貨物輸入拠点港湾に指定されると、次のような支援が受けられます。

  • 荷さばき施設等の取得に係る固定資産税等の特例
  • 港湾区域内の工事等の許可等の特例
  • 荷さばき施設の共同化を図るための協定に係る特例(承継効)

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