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共有地の悲劇

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 「共有地の悲劇」(tragedy of the commons)はゲーム理論の用語で、「コモンズの悲劇」とも呼ばれたりしているものです。
 この共有地の悲劇について、解説します。

内容

 ある牧場について、複数の農民が牛を放牧しているとします。
 各々の農民は、自分が飼っている牛をどんどん増やそうと、その牧場の牧草をどんどんと食べさせます。

 しかし、これは牧場全体にとっては、いい結果をもたらしません。
 各々の農民が牧場の牧草を自由に食べさせた結果、牧草は食べつくされてしまい、牧場は荒れ地になってしまいます。

 同じような例として、共有地の悲劇について、漁師の話が用いられることがあります。
 ある漁場で、多くの漁師が魚を好き放題に獲っていたとします。そうすると、その漁場の魚の数は限られているので、魚は獲りつくされ、その漁場には魚はいなくなってしまいます。

 これは現実の問題としてあることで、漁獲規制や漁業法による規制が設けられ、魚を獲る量や魚を獲る人が制限したりして、共有地の悲劇を避ける工夫が行われています。

まとめ

 つまり、共有地の悲劇とは、個々人にとって合理的ですが、その結果、最終的には共有財産が失われ、個々人も損失を被ることになるというものです。

参考

岡田章『ゲーム理論・入門 新版–人間社会の理解のために (有斐閣アルマ)

渡辺隆裕『ゼミナール ゲーム理論入門

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