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幼稚産業保護論


概要

 幼稚産業保護論とは、現在競争力の弱い産業に関して、海外からの輸入品などを規制や関税などで保護することで、その産業を守り、国際的に競争力のある産業に育成しようとする政策である。
 勿論、保護しただけでは、その産業は強くはならない。外部性などによる学習効果や技術導入が必要であり、その産業を支えるように資金供給もなされなければならない。
 過去の日本経済において、成功した産業政策の1つでもあるが、反面、自由競争などの観点から批判・反対される政策でもある。


幼稚産業論に関する成功例

 日本においては、自動車産業やコンピューター産業など、様々な産業で幼稚産業保護論による政策が行われ、成功してきたと言われている。
 例えば日本では、コンピューター産業について、1950~60年代に幼稚産業保護論による政策が行われた。
 当時、アメリカのIBMがコンピューター技術を有しており、いかに日本にコンピューター技術を導入し、国内のコンピューターメーカーを育成するかが重要であった。そこで、次のような政策が行われる。

  • 特許をもつIBMに対して、IBMの日本子会社(日本IBM)でのコンピューター製造を認める代わりに、国内企業への特許の使用許諾を認めさせた。
  • 輸入コンピューターに対して、通産省からの許可が必要とされ、またIBMに対しては、国内シェアに関する行政指導が行われた。
  • コンピューターの開発に対して補助金や、日本開発銀行からの融資が行われた。

 この結果、日本において、コンピューター製造の基盤が形成されることになった。


幼稚産業保護論に関する批判

 幼稚産業論に関しては、次のような批判が挙げられよう。

  • 保護政策であり、自由競争・自由貿易の観点から、望ましくない政策である。
  • 保護政策により、市場に歪みが生じるため、経済厚生が低下する。言い換えると、保護産業以外の産業や消費者に不利益が生じる
  • 関連して保護された企業には、ある種にレントが生じる。
  • 保護すべき産業を、政府が決めることができるのか疑問である。
  • 政策が成功した後も、保護が継続されてしまいがちである。 など

 特に、発展途上国に適用される政策であり、先進国となった今の日本では、古めかしさを感じる理論である。

 なお、幼稚産業保護政策を実施するにあたっての基準として、ミル・バステーブルテストというものがある。







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