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地方公共団体の財政破綻


財政破綻

 財政破綻といえば、国の財政破綻が想起されるが、2007年に夕張市が財政破綻したように、地方公共団体においても、財政破綻が起こる。

 ただ、日本では、国の財政破綻や企業の倒産とは大きく異なっているのが特徴である。
 一般的に、国にあっては、国債の返済などが行われないこと(デフォルト)が財政破綻と言われ、企業においては、資金がなくなり、事業が継続できないことが倒産とされる。

 しかし、地方公共団体においては、地方公共団体の財政の健全化に関する法律に基づく「財政再生団体」となった場合、財政破綻とみなされる。財政赤字などがある一定の基準に達した時点で、財政再生団体となるため、業務の継続性などとは無関係に財政破綻となる点が、特徴的とも言えよう。


法律の概要

 「地方公共団体の財政の健全化に関する法律」は、地方公共団体が財政上悪化した場合の手続き・措置などを定めた法律である。
 以前から、地方財政再建促進特別措置法という法律があったが、夕張市の財政破綻を受け、この新たな法制度が整備され、平成21年より完全施行されている。


地方財政再建促進特別措置法

地方財政再建促進特別措置法との相違点(総務省HPより)


法律の特徴

 地方公共団体の財政の健全化に関する法律の大きな特徴としては、財政破綻した場合の「財政再生団体」の規定が設けられているのは勿論、財政状況がよくない場合の「財政健全化団体」の規定が設けられている点である。

 簡単に言えば、サッカーのように、レッドカード(財政再生団体)とイエローカード(財政健全化団体)の2つの規定が用意されているということである。

 また、毎年、実質公債費比率などの財政再生団体となるか否かに関する指標の公表が地方公共団体に義務付けられている。
 (総務省や都道府県も、報告を受け、都道府県や市町村の指標の公表が必要)

【地方公共団体の財政の健全化に関する法律】
第3条 地方公共団体の長は、毎年度、前年度の決算の提出を受けた後、速やかに、実質赤字比率、連結実質赤字比率、実質公債費比率及び将来負担比率(以下「健全化判断比率」という。)並びにその算定の基礎となる事項を記載した書類を監査委員の審査に付し、その意見を付けて当該健全化判断比率を議会に報告し、かつ、当該健全化判断比率を公表しなければならない。


判断基準(健全化判断比率)

 各指標について、次のような値となったとき、財政健全化団体・財政再生団体となる。
 なお、各指標については、「地方公共団体の財政指標」を参考のこと。

財政健全化団体(早期健全化基準) 財政再生団体(財政再生基準)
道府県 市町村・特別区 道府県 市町村・特別区
実質赤字比率 ((C)+1/40)×1/2
(A)
3/80
(1/5+地財法施行令22条の額÷前年度の標準財政規模))×1/2
(B)
(地財法施行令13条1項イの額×1/20+地財法施行令13条1項イの額×1/5)÷前年度の標準財政規模
(C)
1/20
1/5
連結実質赤字比率 (A)+1/20
7/80
(B)+1/20 (C)+1/10
3/20
3/10
実質公債費比率
25/100
35/100
将来負担比率
400/100
350/100(*)

(*)指定都市にあっては、都道府県の基準


財政健全化団体と財政再生団体

 財政健全化団体や財政再生団体になると、計画の策定・実施などが必要となる。

財政健全化団体 財政再生団体
判定基準 早期健全化基準 財政再生基準
策定計画 財政健全化計画 財政再生計画
計画の内容 ①健全化判断比率が早期健全化基準以上となった要因の分析
②計画期間
③財政の早期健全化の基本方針
④実質赤字額がある場合にあっては、一般会計等における歳入と歳出との均衡を実質的に回復するための方策
⑤連結実質赤字比率、実質公債費比率又は将来負担比率が早期健全化基準以上である場合にあっては、それぞれの比率を早期健全化基準未満とするための方策
⑥各年度ごとの④⑤の方策に係る歳入及び歳出に関する計画
⑦各年度ごとの健全化判断比率の見通し
⑧上記に掲げるもののほか、財政の早期健全化に必要な事項
①再生判断比率が財政再生基準以上となった要因の分析
②計画期間
③財政の再生の基本方針
④次に掲げる計画(ロ及びハに掲げる計画にあっては、実施の要領を含む。次号において同じ。)及びこれに伴う歳入又は歳出の増減額
 イ 事務及び事業の見直し、組織の合理化その他の歳出の削減を図るための措置に関する計画
 ロ 当該年度以降の年度分の地方税その他の収入について、その徴収成績を通常の成績以上に高めるための計画
 ハ 当該年度の前年度以前の年度分の地方税その他の収入で滞納に係るものの徴収計画
 ニ 使用料及び手数料の額の変更、財産の処分その他の歳入の増加を図るための措置に関する計画
 ホ 地方税法第3条第2項若しくは第5条第2項に掲げる普通税について標準税率を超える税率で課し、又は同法第4条第3項若しくは第5条第3項の規定による普通税を課することによる地方税の増収計画
⑤④の計画及びこれに伴う歳入又は歳出の増減額を含む各年度ごとの歳入及び歳出に関する総合的な計画
⑥再生振替特例債を起こす場合には、当該再生振替特例債の各年度ごとの償還額
⑦各年度ごとの健全化判断比率の見通し
⑧上記に掲げるもののほか、財政の再生に必要な事項
計画に対する議決 必要 必要
地方債 制限なし 制限あり
国等の勧告 あり あり






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