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コンペなのに技術提案がない! 良いことではないか!


 福岡市で、工事の発注にあたり、総合評価方式による入札が行われたが、技術提案がなく、落札ということが起こった。そして、このことに対して、委員会で市議会議員から市は批判を受けたという。

参考2014/3/11 西日本新聞「落札JV、技術提案せず 地下鉄七隈線の延伸工事 [福岡県]」


 そもそも総合評価方式というのは、単に価格だけで落札者を決めるのではなく、民間企業などからの創意工夫に基づく提案も加味して、落札者を決めるという仕組みである。そして今回、この技術提案がないにもかかわらず、落札したということで、単なる普通の入札と変わらないという点で、市議会議員から批判が挙がっているのだろう。

 言いたいことはよく分かるが、市では「適正」だとし、他方、住民の代表である議員がお役所的な発言を行い、「けしからん」とピントはずれな批判するのは困ったものである。

 今回の場合、入札参加資格を有する3者のうち2者が価格が折り合わず辞退。そして、残りの1者が予定価格100%で落札したというものである。
 つまり、そもそもこの工事自体の予定価格が低くて、事業者としては旨みが少ない工事だということだ。

 そして、更に技術提案まで求めるのは、事業者に対して酷な話だと思う。「「民活」という名の官製ワーキングプア」でも同じようなことを書いたが、「技術提案」といえば聞こえがいいが、何らかの形でコストに跳ね返る。

 つまり、今回の例でいえば、更に技術提案を求めるというのは、ぎりぎりの価格設定の中で「値引きをしろ」といっているに等しい。そうなれば、現在、落札した事業者も価格で折り合いがつかず、辞退する結果となっただろう。そして不調ということで、市としては予定価格を引き上げて、再入札を実施しなければならなくなる。

 市議会議員の方々は、制度の趣旨とのズレを指摘したつもりなのだろうが、結果としては「価格を上げろ」といっているに等しく、実は市の財政を考えれば、問題のある発言・指摘である。そして、市のほうは、むしろこのような事情が分かっているから、「適正」と回答しているのだと思う。

 そもそもこのような批判・発言をするのは、非常にお役所的だ。議員がお役人化してはいけないと思うし、もう少し熟慮をして、発言してほしいものだ。

 更に思うのが、技術提案がないということを誇ってもいいとも思う。(価格以外で)民間事業者がぐうの音も出ないような設計・規格を考えるような職員がいるというのは、その自治体にとっては非常に素晴らしいことである。そしてそのような職員が多い自治体は、きっと良い自治体に違いない。

 議員の先生方は、住民の代表であり、行政とは距離をもって、幅広い見地から判断・チェックを行ってほしいと思うのである。







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