地域経済・地域政策について、批評・分析しています!!

理念なきバス事業の民間譲渡


 徳島県の小松島市の市バスが民間譲渡されるという。

外部リンク2014/1/22 徳島新聞「小松島市バス廃止 14年度末、民間に事業移譲」


 公営事業が民営化されたり、民間に譲渡されるというのは珍しい話ではない。
 しかし今回のこのニュースを見て、改めて思ったのは、その理念のなさである。

 民間譲渡する理由としては、赤字が続いており、税金を投入し続けて事業継続することに反対意見が多いからだという。しかも、事業移譲後も現行のサービス水準を維持してもらう方針だという。

 そもそも行政が事業を行う理由の1つとしては、市場の失敗にあると言われている。市場の失敗とは、民間企業などがサービスを提供しようと思っても、赤字などが発生するため、結局そのサービスなどが提供されない状態のことである。社会的には必要であっても、市場の失敗によりサービスが供給されない場合に、政府や行政機関が、そのサービスを提供することが望ましいとされる。

 今回のことを考えると、赤字があるから、市の事業として止めるというのは、この政府・行政機関の役割をしっかりと考えていないと思う。これでは単に民間企業へ赤字事業を丸投げするだけだ。

 民間バス会社にとっては、バス事業を安価な価格で購入できればいいだろうし、バスというのは独占的な要素もあるので、メリットもあるだろう。
 とはいえ、民間バス会社が運営主体になったからといって、大幅な黒字化が期待できるわけではないだろう。ある種、需要が限られている中で、民間バス会社が行うことで大きな利益向上が見込める要素は、人件費の削減ぐらいだろうか。

 そこで、移譲後3年間は既存の路線と運行回数を減らさないように求めるという。言い方を代えれば、3年後は路線数の削減や運行回数の減少を行ってもいいということだ。

 地域を支える行政機関として、住民サービス低下という嫌な面を自ら行わず、民間企業に行わせるということだ。

 今回の措置の背景には、昨年実施したアンケートで、公営企業に代わる運営を検討すべきとの回答が半数近くを占めたということがあるようだが、このような民間譲渡はあまりにも、理念がないだろう。

 このようなことを行っているのは、小松島市だけではないだろう。
 ただ、行政機関の地域の中での役割・理念などもしっかりと考え、民間譲渡などを考えてほしいと思う。







コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA




分野

地域経済地域経済 (102)
地方行政地方行政 (80)
地域金融地域金融 (22)
地方財政地方財政 (35)
その他その他 (61)
社会福祉社会福祉 (8)
地域活性化地域活性化 (72)
商店街商店街 (15)
エネルギーエネルギー (17)
農林水産業農林水産業 (34)
インフラインフラ (32)
観光観光 (70)
地域政策地域政策 (104)