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どうなるのか? カジノ法案


概要

 古くから、地域活性化の手段の一つとして、カジノの設置が言われている。
 そして昨年には、カジノ法案(正式名は「特定複合観光施設区域の整備の推進に関する法律」)が提出され、継続審議となっている。
 1月24日から通常国会が開かれるにあたり、改めて、この「特定複合観光施設区域の整備の推進に関する法律」を読んでみた。

外部リンク衆議院「特定複合観光施設区域の整備の推進に関する法律案」


ポイント

 読んでみて気付いたのだが、いくつかのポイントがあるようだ。

①この法律が成立しても、カジノはできない
 この法律はあくまでもカジノ設置にあたっての基本事項を決めるだけの法律に過ぎない。
 どこでカジノを設置するのか、カジノに対する規制をどうするのかなどについては決まっておらず、別の法律で定めるとされている。そのため、カジノを設置するには、単なる行政的な手続き上の問題以外に、新たな法律を提出する必要がある。

【2条2項】
この法律において「特定複合観光施設区域」とは、特定複合観光施設を設置することができる区域として、別に法律で定めるところにより地方公共団体の申請に基づき国の認定を受けた区域をいう。

【9条】
カジノ施設の設置及び運営をしようとする者(当該カジノ施設の設置及び運営に係る事業に従事しようとする者を含む。)、カジノ関連機器の製造、輸入又は販売をしようとする者並びにカジノ施設において入場者に対する役務の提供を行おうとする者(以下「カジノ施設関係者」という。)は、別に法律で定めるところにより、第十一条のカジノ管理委員会の行う規制に従わなければならない。

【11条】
カジノ管理委員会は、別に法律で定めるところにより、内閣府に外局として置かれるものとし、カジノ施設の設置及び運営に関する秩序の維持及び安全の確保を図るため、カジノ施設関係者に対する規制を行うものとする。


②カジノ設置に向けた体制づくりがメイン
 むしろこの法律の中心であるのは、カジノ設置に向けて、内閣に「特定複合観光施設区域整備推進本部」を設置することである。そして、この推進本部をもって、カジノ設置に向かおうとしているのだろう。

【14条】
特定複合観光施設区域の整備の推進を総合的かつ集中的に行うため、内閣に、特定複合観光施設区域整備推進本部(以下「本部」という。)を置く。


③カジノが設置される地域は地方自治体からの申請
 カジノというと「特区」というイメージがあるかもしれないが、この法律においては、カジノが設置される地域(「特定複合観光施設区域」)は、地方自治体からの申請により、国が認定する区域という形になっている。

【2条2項】(再掲)
この法律において「特定複合観光施設区域」とは、特定複合観光施設を設置することができる区域として、別に法律で定めるところにより地方公共団体の申請に基づき国の認定を受けた区域をいう。


④カジノ運営について規制が予定されている
 現在のところ、ほとんどカジノの運営上、この法律では規制等は定められていないが、今後、法律などで一定の規制が行われる予定である。

【9条】(再掲)
カジノ施設の設置及び運営をしようとする者(当該カジノ施設の設置及び運営に係る事業に従事しようとする者を含む。)、カジノ関連機器の製造、輸入又は販売をしようとする者並びにカジノ施設において入場者に対する役務の提供を行おうとする者(以下「カジノ施設関係者」という。)は、別に法律で定めるところにより、第十一条のカジノ管理委員会の行う規制に従わなければならない。

【13条】
国及び地方公共団体は、別に法律で定めるところにより、カジノ施設の入場者から入場料を徴収することができるものとする。


⑤税金ではなく納付金
 当然ながら、カジノを実施するにあたって、カジノ事業者が設けたお金の一部を税金などで徴収するということが考えられる。そこで、このような一文が入れられているが、「税金」ではなく「納付金」となっている。
 字義通り読むと、納付金であるので、国税徴収法の適用をせず、強制権を持たせないのかなとも感じてしまう。ただ、これも今後の法律により定められるので、このあたりも改めて決まってくるだろう。

【12条】
国及び地方公共団体は、別に法律で定めるところにより、カジノ施設の設置及び運営をする者から納付金を徴収することができるものとする。


とはいえ、一気に進む

 このように、正直改めてこの法律を読むと、ほとんどはこれから決めるという形になっており、カジノ法案といっても、まだまだの印象だ。
 とはいえ、次のような一文があり、この法律が施行されれば、1年で法整備などが講じられることになり、カジノ設置は一気に進むだろう。

【5条】
政府は、次章の規定に基づき、特定複合観光施設区域の整備の推進を行うものとし、このために必要な措置を講ずるものとする。この場合において、必要となる法制上の措置については、この法律の施行後一年以内を目途として講じなければならない。


 勿論、カジノ自体に反対だという意見もあったりするので、この法律成立後の議論や提出しなければならない法律などにより、どのようなものになるかは分からない。

 ただ、カジノ法案の行方については、この法律だけでなく、その後の審議なども注目していく必要があるようだ。







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