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どうも意味が分からない、多摩の新しい奨学金


 東京多摩地区の大学や短大に通う学生を対象として、新しい奨学金「多摩未来奨学金」が、2013年度からスタートする。
 奨学金としては、返済不要で年間30万円。原資としては企業や自治体などからの寄付で、初年度には20校が参加するという。

外部リンク2013/11/12 日本経済新聞「多摩の新奨学金、20校が参加 中央大や明星大など
外部リンク2013/9/29 MONEYzine「1名年間30万円、返済義務なしの「多摩未来奨学金」 新たなる地域活性化の“呼び水”となるか


 背景としては、学生の都心志向であろう。かつて、都内の大学は郊外に移転する動きがあり、多くの私立大学が郊外に移転した。学生が多くいるときは良かったが、少子化で学生が減少する中、近年に入り、学生が都内とはいえ不便な郊外の学校ではなく、都心の大学を志向する傾向が見られ、受験生を呼び込むために、地域として、このような奨学金制度を創設したということだろう。

 ただ思うに、これが本当に受験生を呼び込むことに寄与するのかということである。
 確かに、年間30万円もらえるというのは、学生にとってありがたいことだが、受験生として考えるならば、奨学金があるから、多摩の大学に行こうと思うのだろうか?

 確実にもらえるものならば、学費や生活費を考える上で算定根拠になるだろうが、不確実である以上、この奨学金を当てにして、受験はできないだろう。
 例えば、拓殖大学の募集要項を見ると、学内選考で推薦枠は1名に過ぎず、次のような条件がある。

  • GPA値2.0以上の者
  • 多摩未来奨学金プロジェクトに参加できる者
  • 現在、多摩地区在住者が望ましい

 また、単に書類を出すだけではなく、小論文を書かなければならず、書類選考と面接がある。
 このような条件では、ほとんどこの奨学金を当てにして、学生が受験することはないだろう。

 新しい奨学金を創設することで、上記のようにニュースで取り上げられたりと、PR効果はあるだろうが、実質的には意味がないと思う。
 むしろ、自治体や企業が協力するならば、もっと違う形で推し進めたほうがいいと思う。







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