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神奈川県住宅供給公社の民営化見直し


 神奈川県では、平成18年より住宅供給公社の民営化を検討してきたが、今月17日に正式に民営化の見直しを決めた。
 理由としては、次のようなものだ。

  • 民営化すると税制などのメリットが得られなくなる
  • 東日本大震災などにより、公的な役割の必要性が出てきている
  • 地方住宅供給公社法の改正が見通せない

 今後は、従来から引き続き、住宅供給公社として事業を継続していくことになる。

外部リンク神奈川県神奈川県住宅供給公社について


 住宅供給公社自体、ある種の課題を抱えた組織である。

 神奈川県でもそうだが、多くの住宅供給公社は、多額の借金をしている場合が多い。債務超過に陥っているところも多く、北海道のように特定調停を申請し、債務を免除してもらったりしているところもある。また、青森県のように、アニータ事件で横領が発覚し、解散に到ったところもある。

 また、公社の根拠法である地方住宅供給公社法は昭和40年に制定されたもので、住宅供給公社は、住宅不足を解消するために設けられたものだ。現在のように人口が減少する中で、その役割は変わらなければならない。

 この点で、神奈川県の民営化というのは、一つの選択肢だったのだろう。

 私自身は、民営化すべきかどうかは各自治体が、地域の現状に照らし合わせて検討すればいいことだと思う。上記のような課題のもと、民営化したり、逆に住宅供給という観点で、市場の失敗が起こっているならば、自治体が責任をもって、住宅供給を行えばいい。

 ただここでの問題は、税制優遇や法律による規制で、その地域の施策ができないということである。地方分権が言われているが、メリットを与えるという形で地方分権を阻害している一つの例といえよう。
 更にこの背後には、地方自治体が肥大化しやすい要素をはらんでいるともいえよう。民間でもできるが、優遇措置があるおかげで、自治体が行うことになってしまっている。かつてはそれでよかったのかもしれないが、時代が変わる中、行政の肥大化という点も注意しなければならないだろう。

 この神奈川県の住宅供給公社民営化の問題は、民営化云々というよりは、国と地方の関係、行政と民間との関係についての問題といえよう。







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