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なぜ、日本人は魚を食べなくなったのか?


 改めて言うまでもないが、日本人の魚離れが進んでいる。
 年々、魚介類の摂取量は減少し、ついに平成18年には肉類が魚介類の摂取量を超えた。厳密に言えば、魚介類なので貝・イカなども含まれていることを考えると、更に魚の摂取量は少なく、肉類が魚の摂取量を超えたのは平成18年以前と言えよう。


魚介類と肉類の摂取量の推移

魚介類と肉類の摂取量の推移(平成22年度 水産白書)


 このように、魚離れが進んでいるのだが、一般的に言われる理由を考えると、次のようなものが挙げられる。

  • 食の欧米化や食文化の変化により、魚を食べなくなった
  • 肉に比べて、魚のほうが値段が高い
  • 魚を調理するのが面倒くさい、または魚を調理できない
  • 肉に比べて食べにくい
  • 肉に比べて、ボリューム感が乏しい     など

 それぞれ、もっともな理由であり、否定するつもりはない。

 しかし、魚は日本人が昔から食べられているからこそ、魚料理や加工法について、新しいものが開発されてこなかったのではないかと思う。

 1つは加工法である。下記は、鮮魚の1人当たり購入数量の品目別割合である。すべての魚で購入数量が減少しているわけではない。マグロ・ブリ・サケなどは、逆に購入数量が増えている。これらはいずれも、上記の理由のように、切り身などで販売され、刺身で食べたり、調理しやすいために増加したのだろう。


購入数量の品目別割合

購入数量の品目別割合(平成22年度 水産白書)


 同時にこれらは比較的、保存がしやすい魚ではないだろうか。保存がしやすければ、販売する側からしても、売れ残りの廃棄ロスが少なくなるため、販売もしやすい。例えば、ネギトロなどは、日本人がマグロが好きだという理由もあるが、同時に冷凍パックなどで取り扱われており、飲食店なども取り扱いがしやすい。魚介類の丼として、ネギトロ丼が有名だが、味は勿論、このようなパックなどがあるからこそ、どこの飲食店でも、ネギトロ丼を提供できるのである。
 魚といえば鮮度と言われ、どうしても生のままで販売しやすい。しかし、多少鮮度が失われても、中間加工の方法を工夫して、小売店や飲食店で取り扱いがしやすい仕組みが必要ではないかと思う。逆に、様々な魚介類で、このような加工技術・仕組みを構築できなかったからこそ、現在の魚離れの一因があるのではないかと思う。

 もう1つは、料理である。肉の場合には、単にステーキやハンバーグなどの調理法を輸入しただけではない。すき焼き・かつ丼など、日本人の嗜好に合った料理なども開発された。しかし、魚の場合、そのような料理の開発が弱く、なかなか新しい料理というのは意外と少ないような気がする。上記のようなネギトロ丼などは、魚料理で、ある種のヒット商品ともいえるが、それ以外では、特にパン・麺類などの炭水化物で日本人に合った、新しい料理は少ない。

 以上のように見ていくと、最初に述べたように、食の洋食化・多様化など、致し方ない面もあるが、魚離れはそれだけではないように思う。魚という固定観念で、従来からの加工法や料理しか、提供されてこなかったからではないか。

 サバ缶がダイエットにいいということで、売れているそうである。
 決して日本人は魚が嫌いになったわけではないと思う。むしろ、「魚=和」ということで、新しい料理を提供できてこなかったり、現在のビジネススタイルに合った魚加工を生み出してこなかったからではないかと思う。







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