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県政アドバイザー、うまくいかないかもしれない


 山形県で、県の戦略や課題について話し合う県政アドバイザー懇談会というものを始めたそうだ。
 経済界、教育界、医療会などの分野14名がアドバイザーとなり、年に2・3回、会合を開き、知事が意見などを求めるものだという。

外部リンク2013/09/11 山形新聞「県政アドバイザー懇談会が初会合 14人委嘱、産業振興など提言」


 よく産業振興、医療などの個別分野で、計画やビジョンなどを策定する際に、このような会合が行われることは一般的だが、分野横断的な取り組みは珍しいと思う。また、総合計画などを策定する際には、比較的横断的な委員構成になるが、計画策定時に限られ、年2・3回、定期的に会合がもたれるというのは、珍しいだろう。

 しかし、この取り組みはあまりうまくいかないのではと思ってしまう。

 1つは、アドバイザーは、それぞれの分野については詳しいが、他の分野についてはよく分かっていないことが多い。その点で、県政全体を総合的に見るために設けた仕組みだろうが、アドバイザー自体、総合的に県政を判断できないということだ。アドバイザーが単に個別分野・業界団体の利益などを中心に言った場合には、下手をすると、単なる利益団体の会合となってしまう。

 2つは、上記の点とも関連するが、話が抽象的になりがちなってしまうという点だ。県政全体の話になると、個々のアドバイザーでは判断しにくくなることから、アドバイザーとしても抽象的・一般論でしか、話がしにくくなる。逆に、県政全体の話をしているにもかかわらず、些末な個別具体的な議論になってしまう可能性もある。

 3つは、実務的な時間的な制約である。2時間の会合を開いた場合、1時間は事務局からの県政の説明、もう1時間は意見交換の時間としよう。そうすると、14人のアドバイザーがいるため、知事が全く話さなくても、単純にアドバイザーが意見を言える時間は、平均3・4分しかない計算になる。当然、知事も話をすることから、もっとアドバイザーが意見をいう時間は少なくなるだろう。意見を聞くというが、そもそもこれでは、アドバイザーが意見をいう時間があまりないのである。
 勿論、県の職員もこのような問題があることは予想はしているだろうし、もう少しアドバイザーの人数を減らしたかったのかもしれない。しかし、県政全般で分野が横断的であるため、この分野は入れる必要がある、この分野ははずせないなど、試行錯誤の結果、絞りに絞って14人に落ち着いたのかもしれない。

 4つは、県内のアドバイザーがメインであるため、他の都道府県との関係など、大局的な視点が欠けがちになってしまう。当然、山形県の県政を考えるためには、県内アドバイザーの位置づけは重要だ。しかし、山形県も山形だけで成立しているわけではなく、他の都道府県などの影響を大きく受ける。

 以上のように、この県政アドバイザーは、あまり機能しないような気がしている。予算・施策にも反映させるということで、実弾的な要素もあるが、手間暇が増えるだけで、重要な仕組みとはならないだろう。

 とはいえ、このような仕組みが全くいらないとは思わない。
 知事が職員以外の専門家などの話を聞く機会は重要であるし、県政全体について考えるという場も重要だろう。

 ただこの点で重要なのは、県政全体を見れるような人材が、実はあまりいないということだ。更には、10年・20年先を見据えた戦略を描けるような人材となると、皆無となってしまうかもしれない。

 まずは、このようなことが可能な人材を探し出したり、育成することのほうが先なのだろう。言い方を代えれば、このような人材を生み出すような仕組みが重要と言える。
 役所の内部では、財政部署などは、県政全体を見るという部分があり、比較的このような人材はいるだろう。ただ、内部人材では、サラリーマンであり、どうしても大きな視点では物事は考えにくい面がある。

 いかに、外部に総合的に県政を考えるような人材を生み出す仕組みを作り出せるかがポイントだと思う。







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