地域経済・地域政策について、批評・分析しています!!

オリンピックで地方はどうなるか?


 東京でのオリンピック開催が決定した。
 前回の落選からの再チャレンジで決定したということもあり、非常にうれしいニュースである。
 また、経済にとっても、経済効果は7年間で150兆円とも言われ、これから数年の景気にもプラスの影響があるだろう。

 しかし、これは東京の話であり、地域・地方経済にとってはあまり影響がなく、むしろマイナスの影響が出てくるのではないかと思っている。

 数値で厳密に見ているわけではないが、次のような理由からである。

 1つは、一部の競技を除けば、そのほとんどは東京で開催される。この点から、事前の観光客も含め、海外からオリンピックを見に来る人などは、東京を中心に観光するだろう。勿論、東京だけでなく他の地域へも周遊観光するだろうが、入り口としてオリンピックということに関連して来るような観光客は、日本観光初心者である可能性が高い。そうなると、東京以外での観光といっても、京都など、いわゆるメジャーな観光地へ行く程度だろう。当然、オリンピックに絡めて、東京以外の地域でも観光PRが行われるだろうが、観光ということに関してはやはり東京が中心となる。

 2つは、国内の観光客も、東京に集まりやすくなるということである。オリンピック開催期間は勿論、これに関連して、東京に行く人は多くなる。人口・時間・お金に制約がある以上、当然ながら、他の地域にとって、マイナスの影響となるだろう。

 3つは、インフラ整備についても、やはり東京が中心となる。一義的には東京都が中心となって様々なインフラを整備することになるが、当然、国でも各種のインフラを整備することになるだろう。例えば、首都高や国立の施設などの改修である。そうなると、東京での公共工事などが増えることになり、東京ではプラスの影響だが、他の地域ではあまり影響はない。更に、予算という制約を考えると、他の地域での公共事業にはマイナスの影響となるだろう。

 また、オリンピックに関連して、直接的ではないが、次のようなことも挙げられる。

 1つは、よく1964年の東京オリンピックなどの話と比較されるが、このオリンピック頃の1950~60年代は、地域間格差が大きくなった時期である。オリンピックのみの影響とは言い難いが、このような事実があることを忘れてならない。

参考地域格差は拡大しているか


 2つは、1964年の東京オリンピックを見ると、確かにオリンピックまでは景気は上昇したが、その次の年の1965年には、山一證券が経営危機に陥り、日銀特融が発せられたり、戦後初の赤字国債の発行も行われている。つまり、オリンピック後にはリセッションが来るということだ。

 3つは、上記のように、インフラ整備などお金が必要となるが、反面、日本は多くの借金を抱えている点である。オリンピックにより東京を中心に景気がよくなるだろうが、国の財政問題は東京だけの問題ではなく、日本全体の問題である。何か国の財政で問題が生じれば、その影響は東京だけでなく、地方も受けることになる。すなわち、インフラ整備などで国が東京に公共事業を行い財政支出を増やすということは、地方にとっては、リターンは少ないが、リスクが大きくなる状況ともいえる。

 以上のように、東京オリンピック開催は喜ばしいことだが、地域・地方経済のことを考えると、諸手を挙げて喜ぶことはできない。
 地域・地方経済にとってはマイナスの影響も出てくるだろうから、地域・地方では、単に喜ぶのではなく、しっかりとその面も踏まえ、地域経済を守っていく必要があるだろう。







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