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はきもの博物館閉館、戦略を変える必要がある。


客足倍増…?

 11月に閉館する日本はきもの博物館の来館数が大きく伸びているそうである。

外部リンク2013/09/04 中國新聞「はきもの博物館、客足倍増」


 閉館を惜しむ親子連れなどで客足が伸び、8月27日~9月1日(6日間)の客数は、昨年に比べ倍増の280人になったそうだ。

 しかしである。(勿論、混んでいる曜日や時間などがあるだろうが)倍増といっても1日当たり約50人程度、8時間営業とすると1時間当たり6人程度。非常に少ないと言わざるを得ない。
 また、倍増したこの客数でも、入館料は大人1人1000円なので、日商は5万円程度となる。何人で運営しているか分からないが、これはやっていけないだろう。仮に人件費を賄えても、その他の維持管理費はかかるだろうし、博物館にとって重要な「はきもの」の新規購入費などの捻出はできないだろう。
日本はきもの博物館

日本はきもの博物館

 このような状態では到底維持できないだろうし、民間の財団法人で運営されているため、今回の閉館に至ったようだ。
 そして今後は、市に運営が継承され、市営の博物館となるようである。


現状の仕組みでは難しい!

 そもそも地方のこのような博物館はなかなか難しいと思う。

 靴や履物が好きな人も多いだろうが、広島まで行って見ようというほど、強い動機のある人はかなり限られる。しかも、新たにどんどんと靴を買い続け、新しい展示物を用意しなければ、そのような人のリピートは期待できない。
 そのため、展示物だけでは市外・県外の人を呼ぶことは難しく、この博物館でも行っていたのか分からないが、他の博物館では、他の地域の博物館で企画展示などを行う場合も多い。

 地域の人をターゲットにした場合は、よほどの企画でなければ、大きな集客は難しく、常設展示でリピーターを呼び込むような仕組みが重要となる。この場合には、どんどんと新しい展示物を用意していかなければならないだろう。
 この点で、企画展示は勿論、草履づくり体験なども行っているようであるが、このような特殊な体験イベントは、子どもと親和性が高い。しかし、子どもの数が減少していることを考えると、このようなものは難しくなっていくだろう。

 市が運営することになるので、収益性というものはあまり考える必要はないが、、現在の仕組みでは、なかなか集客は難しいのではないかと思う。


戦略を変える!

 そうなると、大きく戦略を変える必要があると思う。

 まず思いつくのは、佐賀県武雄市の図書館とTSUTAYAとのタイアップのように、靴屋などとタイアップすることが考えられよう。そこで、新しい靴と古い靴を並べたりして集客アップを行ったり、もしくは靴屋から展示代などをとるという収益モデルも考えらえる。
 ただこれでは、正直、あまり面白くないと思っている。

 なぜなら、はきもの博物館の本当の強みは、履物ブランドだということである。
 履物に関する博物館はあまりなく、国の重要有形民俗文化財も多くある。このようなことに裏打ちされた権威・ブランドこそ、この博物館の本当の強みなのだ。

 そして、履物に関して、いろいろなイベントをどんどんと行っていき、集客を図ることが考えられる。

 例えば、珍しい靴コンテストや手作り靴コンテストなど、コンテストものを行うことが考えられよう。もっと気軽なもので、奇をてらったものとしては、昔ながらの黒長靴への絵づけコンテストなどを行ってもいい。
 全国的なイベントを行い、集客を行えばいいと思う。また、対象が靴ということで明確なので、靴屋や靴関連の団体とタイアップをすれば、PRも行いやすいだろう(逆に、イベントの際に靴屋などへのメリットも出しやすく、タイアップをやりやすいのではないかと思う)。

 このようなイベントは、権威・ブランドがあるからこそ、可能・容易なのである。言い方を代えれば、このようなことができるのは、はきもの博物館以外では、できるところが限られるし、日本はきもの博物館だからこそ、できるとも言えよう。

 今後は行政が運営することになり、手堅くなりそうな気がするが、あくまでも強みは展示物そのものではなく、ブランドという点に考慮して、思い切って全国に展開・PRしたらいいのではないと思う。







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